第162回経済・産業懇話会開催
「日本産業は何を目指せば生き残れるか」
地域ケアサービスの現状と課題」
—団塊世代は何をすべきか—

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日時6月28日(金)14:30~16:35
講演「地域ケアサービスの現状と課題」 —団塊世代は何をすべきか—
講師宮崎敦文氏(厚生労働省 大臣官房審議官)
会場航空会館
参加者50名
  • 今回は厚労省、大臣官房審議官の宮崎様にお話の時間を頂き、我々シニア―の介護などの大きな課題につきお話を頂いた。

豊富な資料を使って、人口減少、少子化の進む中で今後の日本の姿やシニア―の直面する現実に対してのお話は興味深く参考になることが多かったと思います。
多数の参加が見込まれたため、場所を特別にDFから航空会館に移して開催しました。
残念なことに、航空会館のディスプレーが小さく、折角参加された方にはっきり見ることができなかったこと、資料が盛り沢山だったことなどのため理解が不十分などのため、宮崎様のご了解のもと講演資料を全編添付いたします。
(翌日の新聞で発表になりましたように、宮崎様は厚労省総括審議官の要職に就かれる内示を受け大変お忙しい中での講演に感謝します)

講演資料

質疑応答

Q日本人が減少して、介護など外国人に門戸を広げることになるが、移民政策との関係はどうなるのか
A将来人口想定には外国人を10%算入して計算している
EUなどは早くから移民を受け入れているが、10%位で色々問題を抱えており移民政策は上手く行っていないと考える
人材の社会への定着などコストは高くつく
Q寿命が長くなり、老齢化が進む 6月の文春記事でアンチエイジングのことが出ていて、マウスでは成果があるようだが、人間にはどうなるのか
A専門家の意見を聞かないと判らない まだ先のことではないか 
寿命と健康寿命の差9~10年をどのように縮める方が幸せだろう
Q5000人以下の自治体が増えるとのことだが、広い範囲に散らばらずに小さくまとまった集落にすることが大切と思うが、何をやるべきなのか
A特効薬はない、地域ごとの特性での対応で一律には決められない 自治体の独自の判断
入院より在宅訪問の充実など仕組みつくりが必要
能登の問題を見ると、フルサービスをあきらめることも前提で進めることも必要
地域での支えあい、コミュニティー作りがから考える必要がある
Q高齢化が進む対応ではDX化で生産性向上が必要 機械化などの技術開発に投資をすべきではないか そこに資金をつかうのか
ADX化は最も必要と考えている 医療のDX化などいまはバラバラ、それぞれ別の主体がありハードルは高い
Q国は国民におもねり過ぎではないか ゴマすりが多すぎる もっと国にとって何が優先されるかベストのことをやるべきではないか マイナンバーカードにお金をつけて普及などより強制力を働かせるべき
A以前、与謝野大臣の時に議論したが、選挙でエネルギーがいる
しかし、最近は政策決定と施行の間の時間差は縮まってきている、改善は進んでいるのではないか
Q地域医療構想2025年で何が問題にあるのか 包括地域ケアーサービスで総合医療は取り込めるのか
A2025年問題は団塊の世代がすべて後期高齢者に入ることを踏まえている コロナで想定外も起きたが、病床数は変わらない 2040年では入院より訪問治療を取り入れることを目指している
Q韓国では医者を増やそうとして問題になっている 医師数の制限は日本では機能しているのか 医師は増やさないのか
A学生の定員を増やしても、その医師が活動するのは10-20年先のこと 将来的にはそのような人数はいらなくなる むしろ医師の偏在が課題 韓国のことは判らない
Q若者の意識改革がいるのではないか 我々の若いときは収入が少なくても結婚はした
オンライン診療などもっと進めるべきだはない
  AIによる診断ももっと活用すべきではないか
A時代が変わり、意識も考え方も全く違ってきている 時代に合わせた対応が必要ではないか オンラインは今後も拡大する AIのサポートは良いが結論は人にまかせるべき、責任問題もあり使い方はまだ課題がある
Qフレイルの改善についてどのように考えるのか
Aフレイルの介護 フレイル予防ポイントの効果は出てきている 認定率の改善に役立っている
Q良い話として、日本の社会保障政策は他の国に比べ上手く行っているとのことであったが、経済的には国庫が破綻状態になる現実を見ると不思議な感じがする
A他国に比べて良いと言っているわけで、マクロ経済的には問題がある
他国からは年金制度など日本を参考に見ている OECDの評価も良い、しかし安心できるということではない
Q尊厳死を認めることや、終末期の不要な延命処置を止めることなどもっと考えられないのか
A行政では難しい問題 生前から家族で話し合って対応していくことだろう

以 上(浅野応孝)

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