8月5日、6日において、仙台第二高校主催による「令和6年度未来キャリア創造プロジェクト(東京研修)」に参加しました。この研修は仙台第二高校の延べ285名の1年生が2回に分かれて1泊2日で東京に出向き1日目は社会の先輩との交流をおこない、2日目は企業や大学を訪問して各人のキャリア形成に繋げていくことを趣旨としたプログラムで、今年で10回目を迎え、ディレクトフォース授業支援の会は初回から参加させて頂いています。今回は、まず、安藤良一氏(博士 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)研究員、超人スポーツプロジェクト‐B Lab事務局長)より基調講演がおこなわれ、引き続き数名の班に分かれて仙台第二高校OB・OGやディレクトフォースの23名の講師が各班を担当して車座形式の対話をおこないました。
あらかじめ生徒の皆さんから寄せられた質問や、各講師の社会での経験をもとにしたそれぞれのテーマに基づき、説明、質疑応答を通して双方向の交流をおこないました。会場全体で会話が盛り上がり、所定の時間が終了しても質問が続くなど生徒さんにとって有意義な機会となったことが伺えました。
以下、引率された先生と、生徒の皆さんの感想をご紹介いたします。
仙台第二高校 小山裕之先生:
今年度も基調講演の講師選定から、生徒とのグループセッションでの各講師のテーマ決定、生徒らの質問への丁寧な回答など、細かな配慮をいただき感謝申し上げます。
今年度も例年以上に盛り上がりを見せた「未来・キャリア創造プロジェクト」ですが、生徒らへのアンケートの結果もそれを裏付けております。基調講演への満足度調査では「満足(63.93%)」「概ね満足(32.5%)」を合わせて96.43%。DFとのグループセッションでは「満足(81.07%)」「概ね満足(17.14%)」を合わせて98.21%となっております。また「やや不満」と回答した生徒(5名)も、「もっと事前に準備をきちんとしておくべきだった自分に対して不満」「もう少し、質問事項を考えておけばよかった」と自分への自省をこめて回答しておりました。
生徒らの興味・関心を引き出し、現代の諸課題への問題提起につなげるなど、各講師の手腕には毎回驚かされるばかりです。今後とも、ぜひ仙台二高の生徒らのためにご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。
生徒の皆さんの感想:
- 実際に現在、社会の第一線で活躍されている方々のお話を聞くことで、私たちが社会に出て働く時代に確実に訪れているであろう少子高齢化や人手不足が進んだ社会で必要とされるであろう能力やこれからの学校生活の中で身に付けておくべきものの具体的なイメージを持つことができた。特に盤若浩孝さんの「多文化共生社会を生きる君たちに伝えたいこと」は非常に興味深かった。私たちが社会に出て働くころの社会は今までの同質・同調社会から、たとえ日本国内にいたとしても、異なる国籍や文化を持った人々とともに働き、多様性を認め合う多文化共生社会へと変化している。その多文化共生社会で働いていく上で留意しなければならない、文化や習慣の違いによって生まれる問題をどのようにして解決していかなければならないか実際に発生した事例を例に挙げて解決策を考えることで、これからの社会でどんな力が必要とされているのかよく理解することができた。しかし、文化の違いを優劣で置き換えてしまえば、とたんにそれは差別・偏見になってしまう。多くの外国の人々と関わる上で文化を尊重しあうことは最も大切なことであることも学んだ。また、この多文化共生社会で自分の強みを発揮するため、自ら自分の強みはなにか問い、自分の意見をしっかりと持つこと、そして自分の言葉で相手に主張・伝達を行うことを忘れてはいけないこともわかった。こうした社会で活躍していくための勉強や挑戦を積極的に行っていきたいと感じた。
- 講演については、自分の知らない世界を発見することができて満足でした。スポーツと科学を関連づけて考えることがなく、しかも障害を持つ方でも健常者と同じようにしようという考え自体が斬新でした。
また、セッションでは、自分が今興味のある仕事やそれに関連する職業について知ることができる有意義な時間だったと思います。中々社会人の、しかも素晴らしい業績を持ってらっしゃる方と対話するような機会がなく、初めての経験でした。
名前は知っているものの、具体的にどういう仕事なのかがわからない職業でも、自分との関わりがあり、無駄な仕事など一つもないという事を学びました。人生経験が豊富な方々の話を聞く機会。これは希望する職業に就いている方としての話だけでなく、1人の人生の先輩として、たくさん参考になる話も多かったです。私がお伺いした方の話での共通点は「今やりたい仕事を決めなくても良い」ということでした。高校生の段階で決めてなかった、とのことです。なので、色々なことに挑戦して、自分の興味のあることを見つけるのが大事だということを学びました。しかし、決めていないから気を抜くのではなく、興味のある仕事が出て来たときに選択肢を増やせるように、勉強しておくべきだという教訓でした。私は、もしこのセッションの機会がなければ社会についてよく知らないままだったと思います。とても貴重な時間でした。
8月の授業実績
日程 | 学校 | 学年 | 派遣講師人数 | 生徒数 |
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8月5日、6日 | 仙台第二高校 | 1年生 | 23名(各日) | 延べ285名 |
以上(山形徳光)