産業界での事故不祥事発生の低減を目的とし、これにより生産性の向上を目指しているNPO法人リスクセンス研究会が「リスクセンスフォーラム2024」を開催しました。私共DFリスクセンス推進研究会はこのフォーラムに参加いたしました。「リスクセンスフォーラム2024」の開催は、次の通りです。
開催日 | 9月21日(土)13:15~16:45 |
開催場所 | 東京大学工学部11号館 隈講堂 |
参加者 | DFメンバー 梅里、中田、石毛、浅野寿、西村、岸田、柳澤、平井隆一、三橋、立石(計10名) |
第1部
このフォーラムでは、第1部では優れた安全体験・体験型施設をGSEF顕彰として表彰していますが、今年は、次の共同運営方式の2施設が初めて選出されました。(GSEF: Good Safety Education Facility)
・因島技術センター様
・鹿島安信塾様
受賞された施設のご担当者のお話を伺っていますと、「産業事故(転落・転倒・巻き込まれ等)のリスクは身近なところにいくらでも転がっている。作業員の皆様の職業技能の向上を図ると共に産業事故に対するリスクの感度を挙げていかなければ、事故は無くならない。」との考え、及びこれからは共同運営方式(注:現状の主流は、企業がそれぞれ自前で運営)が産業事故撲滅に対する1つの有力な研修手法であるとの考えと産業事故撲滅への熱意が十分に伝わってきました。
第2部
第2部では、この1年のリスクセンス向上活動に関するいくつかの報告がありました。内容としては、「自前化が進むリスクセンス向上活動」「株式会社ADEKA様での改善活動」「ISO活動とリスクセンス向上活動」ですが、この報告の1つとして、私共リスクセンス推進研究会のメンバーである浅野寿さんが「人の行動に起因する事故予防法とリスクセンス」のテーマのもとに講演を致しました。
浅野さんの講演は、事故不祥事の発生のメカニズムを説明し、その上で事故不祥事の発生を低減させる仕組みとして、応用行動分析学の考え方を取り入れた手法を推奨しています。この手法はBBS(Behavior Based Safety)と呼ばれ、多くの企業で安全観察の名前で導入されている実績があります。浅野さんの講演はこのBBSとリスクセンス(LCB)診断法を関連付けて、リスク低減化のためのLCBの要素を紹介しています。更には、浅野さんは私共DFリスクセンス推進研究会がリスクセンス普及活動に大きな役割を果たしていることを説明し、併せて会場の皆様に大きな影響を与えました。浅野さんの講演資料を添付します。どうぞ、ご参照ください。
以 上(立石裕夫)