二松学舎大学 2024年度 第2回講義実施 10月30日
「東アジアの政治と経済Ⅱ講座」

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環境部会の環境教育分科会では、複数の大学で環境に関する講義を行っている。10月からは靖国神社に近い二松学舎大学で、「東アジアの政治と経済Ⅱ講座」の中で、部会メンバーが日本・中国・韓国・台湾など東アジア社会における環境問題について、毎回異なるテーマで計10回の講義(90分授業)を行っている。今学期は120名ほどの学部生が受講している。その一例をご紹介する。

10月30日のテーマは「森林資源の活用~中高層木造建築・木質化への挑戦~」で、ゼネコン出身の建築技術者であった私が講師を務めた。国土の7割近くが森林の日本では、これまで安価な輸入木材を利用してきたが、2010年以降、国産木材活用促進の法令が施行され、CO2削減効果の大きい樹齢50年以上の木材を木造建築に活用する取り組みが始まっている。本講義では中高層建築の普及へ向けた最新事例と現状の課題、将来への展望などについて紹介した。

新しい構造材として注目されるCLT(直交集成木材)を活用した耐震・耐火性能向上への技術開発が大手ゼネコンと木材メーカーで進められており、すでに10階程度の中層木造ビルが出現しており、数年先には20階近くの高層木造建築が都心に完成予定である。

文系の学生には普段馴染みの少ない建築分野の話しで専門的内容が含まれていたが、写真や動画、身近な事例等を多く取り入れ、系統立てて説明したことで、学生達には国内の林業が抱える問題や国産木材活用の意義について理解を深め、新たな興味をもってもらったようである。

学生からの質問を期待していたが、大教室では手を挙げにくい雰囲気でしたが、授業最後にSNSで投稿するフィードバックシートでは、受講者から率直な意見や感想が述べられており、新鮮な気持ちで熱心に聴講した様子が感じられた。また学生にはミニレポートの課題を出し、木材をテーマに自由な夢を語ってもらう予定である。

様々な業態・分野を経験してきた実務家集団のDFメンバーが大学で講義を行うことは、これから社会に出ていく学生達には様々な情報提供の場となり、実社会での体験談は新鮮な刺激になるものと考え、今後は双方向の対話を交えたアクティブラーニングも取り入れていきたい。

以上(山本 明男)

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