港から生まれる、新たな都市モデル
ー 山下ふ頭セルコンティア構想 ー
開催 | 2025年2月6日 |
場所 | 751会議室 |
平尾会員は「横浜市山下ふ頭再開発検討委員会」の委員長を務め、12月26日に山中横浜市長あてに答申を手渡しております。國學院大學観光まちづくり学部では、3年生300名を対象とした観光まちづくり演習を神奈川県内・都内の5地域において実施し、そのひとつの地域として横浜ベイエリアの課題抽出・解決提案に60名の学生が取り組みました。終了後学生は提言レポートを作成しますが、その中に「山下ふ頭再開発」に関連した優秀なレポートがあるとのことで、今回の対談の運びとなりました。
國學院大學からは楓教授、小林教授と、プレゼンターとして三年生の石川さん、馬場さんが参加されました。DFからはプレゼンターとして平尾会員が、そして織田代表他地域デザイン関係者が参加いたしました。

冒頭平尾会員から今回の答申を踏まえて「横浜市の都市課題と山下ふ頭」について、報告が行われました。山下ふ頭の再開発の方向性を明確にした答申ですが、世界に誇れる魅力的な「緑と海辺」の空間を創造し市民の憩いの場とするともに、新技術に基づくまちづくりを目指していくものです。
石川さんと馬場さんのテーマは、「港から生まれる、新たな都市モデル―山下ふ頭セルコンティア構想」であり、具体的な提案となっています。
提案の骨子
これからの「都市のかたち」には住む人・働く人・訪れる人が自ら空間を創り、活用し、進化させていく仕組みが必要となります。そしてまちづくりとして
- 変化する都市
- 災害時の移送可能な都市
- 持続可能な都市
- 新たなビジネスと雇用を生む都市
を目指します。
「横浜」から連想されるイメージは、コンテナが積み込まれた船が停泊する港町です。そこでコンテナを活用したまちづくりを目指します。
都市の6つの機能(商業、産業、公共、観光、福祉、住居)を47haの山下ふ頭をゾーン分けしたまちづくりです。
コンテナ活用によるまちづくりの効果は、経済効果(新たな産業、雇用創出等)、防災効果(移動可能な防災拠点)、環境効果(カーボンニュートラル化等)、観光・ブランド価値効果(港と都市の融合等)にあります。
このプロジェクトは横浜がもつ「港町のブランド」を強化するとともに、コンテナの活用により次世代の都市開発モデルを生み出すことが期待されます。私たちは「セルコンティア」― 進化し続ける年都市という提案を行います。
プレゼン後参加者からの質疑がありました。また平尾会員からは、この提案は答申の提案しているまちづくりの方向性と同じ方向であり、さらにセルコンティアという斬新なアイディアのある素晴らしい提案であるとの感想がありました。また両教授からは、貴重な機会を頂き観光まちづくりを学ぶ学生にとって良い刺激になったとの言葉がありました。大学もDFも地域デザイン活動の活性化を目指しており、今後も情報交換を密にしていくことで、対談を終了しました。
以上(市古紘一)