山﨑雅史会員 (804) からのBYDに関する最新情報です。山崎さんの情報収集会勢力には、いつもながら敬服致します。以下、動画をご覧になり、資料はPDFもリンクしてあります。(小林慎一郎)
YouTubeの動画はこちらをクリック 約28分の動画です、ぜひご覧ください。
中国BYDは世界乗用車販売ランキングで2023年の10位から昨年は6位に躍進しホンダや日産をも抜きました。中国市場での乗用車販売においても今まで不動のトップであったVWを抜き、初めて中国民営企業としてトップの座につき ました。そんな躍進著しいBYDをいろいろな切り口で俯瞰してみると、光の部分だけでなく影の部分も見えてきます。それは相変わらず多い消費者からの苦情だけでなく、第3者機関による客観的なサーベイで浮き彫りになる品質のばらつ き、更には巨額負債が隠されているという疑惑です。そんなBYDの光と影につ いて可能な限りデータを用いてまとめてみました。
自動車のソフト化について日本の自動車メーカーは遅れているとさんざん報道されています。本当にそうなのでしょうか。高速移動体である自動車という商品は、まずは安全でなくてはなりません。走行中の音や振動、風を切る音も気にな ります。同乗者が酔ってしまうようでは困ります。ましてやひどい車ではドライ バーまで酔ってしまいます。ドライバーが予測ながら行う運転操作と実際の車の 挙動が乖離すれば、ドライバーまで酔ってしまいます。自動車はは感性の商品でもあります。自動車はまずはしっかりとしたハードウェアと操縦安定性があり、そのベースの上にソフトウェアがあるという基本を忘れているような昨今の風潮に違和感を覚えます。
シミュレーションだけで開発を進め、市場を実験場として使って新車を開発する。市場からの苦情を受けて新車の完成度を上げていく。そんな開発手法が新興 自動車メーカーの代表的な開発手法なのだと言われると「発売直後のBYDのSEALを運転したところ道路からの突き上げが激しく伝わり、乗り心地が悪かっ た」というコメントに納得します。IT企業のお家芸のソフトウェア開発である アジャイル開発をハードウェアの開発に適用するとこのようなことが起こります。「拙速な」の英訳を辞書で調べてみると speed before quality, fast and sloppy とありました。まさに今、自動車業界では「拙速な」開発が主流になりつつあるのでしょうか。日本の自動車メーカーが苦労して積み上げてきた顧客を重視した開発手法、しっかりとまとめあげてから市場に出すという基本を失わないでほしいと強く願います。
以上(山崎 雅史)