菅沼堅吾会員 (1403) 著『東京新聞はなぜ、空気を読まないのか』は、2025年1月29日に発売され、東京新聞の独自の報道姿勢や編集方針について詳述されています。
本書では、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故を契機に、東京新聞が権力監視を強化し、「本当のこと」を伝える使命感を持つに至った経緯が語られています。特に、政府や東京電力の発表を鵜呑みにせず、その内容を検証し、読者に真実を伝えることの重要性が強調されています。
また、震災後に成立した特定秘密保護法や安保法制、共謀罪などの法案に対しても、東京新聞がどのように報道し、権力を監視してきたかが具体的な紙面を通じて紹介されています。これらのエピソードを通じて、同紙のジャーナリズムの在り方や使命感が浮き彫りにされています。
本書は、新聞の使命や報道の在り方について考える上で、非常に示唆に富んだ内容となっています。特に権力との向き合い方や、報道機関としての責任について深く掘り下げられており、読者に多くの示唆を与える一冊と言えるでしょう。
上梓以来大変に好評で、ネットではプレミアムがついている状態です。
以下ご本人から、一言頂きました。
新聞の使命をもっと多くの人に知ってもらいたい。その思いから、昨年6月に代表を退いたことを機に、『東京新聞はなぜ、空気を読まないのか』(東京新聞・税込み1,540円)を書き上げました。私が東京新聞の編集局長だった時代(2011年6月~17年6月)を中心に、原発事故も含めて権力監視の舞台裏を全て明かしています。日本が安保法制の成立により「戦える国」に変質し、「新しい戦前」が始まっています。「新しい戦中」にしないためには、権力の空気を読まない新聞が必要です。本書で東京新聞の世界を見てください。「新聞観」が変わるはずです。
(菅沼堅吾)

以 上(小林慎一郎)