日時 | 2025年4月8日(火)15:00~ |
場所 | 大阪市総合生涯学習センター第4会議室 |
講師 | 齋藤富雄氏(関西国際大学名誉教授) 元・兵庫県副知事 |
演題 | 「阪神・淡路大震災から30年」 |
1995年1月17日 5:46、阪神、淡路地区を大地震が襲いました。斎藤富雄講師は当時、兵庫県庁で秘書課長をされており、知事を支える立場で、災害対策に当たられましたが、翌年1996年には、全国でも初めてとなる県の防災監となり、復興の舵取りを担われました。
行政側からの貴重な体験から得た教訓
- 首長の行動
- 災害対策本部の設置開催
- 対応職員の確保
- 計画マニュアル作成と職員への周知
- 被害状況の収集・発信
- 救急-救命・支援要請
- 他の自治体職員の支援、受援
- 避難所の開設
- 生活支援物資の備蓄と支給
についてまとめられました。
その教訓についてひとつひとつ丁寧に整理され、また、その後に起きた熊本地震、東日本大震災、能登半島地震でどう生かされたかを検証していただきました。
未曽有の大災害の反省が生かされている部分もありましたが、またまた同じ過ちを繰り返しているという嘆きの方が多かったと思います。さらに、国全体の課題として、防災に必要な財源の確保、住民の意識改革、ボランティアの活動と受け入れ体制、防災教育の在り方、創造的復興等についても問題提起をされました。
災害の多様化、大規模化、少子高齢化、過疎化等が進み、被災地の弱体化が問題になることも想定されるので、地方自治体の防災力強化が非常に重要になります。地方自治体間の格差を是正し全体の格上げをする、各自治体に防災のアクションプラン作成を義務付け、形骸化を防ぐ等の対策が必要です。そのための国、都道府県による財政支援制度がますます重要になります。
防災対策にはやはりお金が要ります。ましてや、復興についてはさらに重要になります。
氏はかねてから、国の防災庁の創設を訴えています。最近になって石破首相が必要性を強調しています。毎年のように大災害が発生している現在、縦割り、横割りの国の防災組織を一元化し、平時における自治体防災体制の充実、災害時の総合的調整機能(迅速性、専門性、継続性等)の充実を国もしくは地区毎の広域連合等が責任をもって行い、被害を少なくし、また、被害を受けても素早く対応できる体制を作る必要性を強く感じました。
以 上(DF関西 岡本正敏)