
| 日時 | 07月11日(金) 14:00~16:00 |
| 場所 | DFスタジオ751 +Zoom |
| 講師 | 山崎宏会員(1524)社会福祉士 |
| 参加 | リアル 15名 オンライン 55名 |


“人生100年時代の老い先案内人”として四半世紀、ソーシャルワークに従事。 延べ12,000件の電話相談と2千件超の個別援助実績を誇る。三四会(慶大医学部)・筑駒法曹界・筑駒医師の会・社会福祉士三田会など、同窓コネクションをバックに、生老病死のあらゆる問題に最適解を導き、相談者の暮らしの安定と充足に貢献する。日本IBM、NTTデータ経営研究所、医療タイムス社、複数の病医院を経て現職(社会福祉士事務所NPO法人二十四の瞳 理事長)。社会福祉士の他に、医業経営コンサルタント、認知症学習療法士、心理カウンセラー、キャリアカウンセラー。主著『永遠の親子愛で紡ぐハッピーエンディングストーリー』・『古希までに知っておきたい終活の知恵』・『老健が親の認知症からあなたを救う』・「完全なる終活バイブル」等
今回の講義の位置づけ

講演の音声概要(約7分)
講演内容(入門編)
1. セミナーの目的と対象者
このセミナー「ワンランク上の淑女紳士のための 令和版あるべき終活入門」は、以下の人々を主な対象としています。
- ワンランク上のアクティブシニア
- お子さんがふたり以上いる方
- かけがえのない人に不利益を被らせたくない方
- 生涯主役人生をまっとうしたい方
目的は、高齢者が直面する社会生活上のリスクを回避し、「人生100年時代」において自らの人生を最後まで主役として生き抜くための「終活」の重要性を伝えることです。
2. 「終活」の定義と目的
- 定義: 終活とは、「人生の終わりのための活動」の略語であり、2009年に週刊朝日によって初めて使われ、2012年にはユーキャン新語流行語大賞のトップテン入りを果たしました。
- セミナーでの定義: 「終活とは縁談である」。これは、人生の終わりに向けた準備が、まるで新たな関係を結ぶかのように、未来の自分や家族との「縁」を良好に保つためのものであることを示唆しています。
- 目的: 終活の目的は、**「そなえ(Preparation)」と「よぼう(Prevention)」**の二つに集約されます。
- 「そなえ(Preparation)」: 「かけがえのない人に面倒をかけないため」のリスクヘッジ。
- 「よぼう(Prevention)」: 「最後のさいごまで自分の人生の主役であるため」のリスクヘッジ。
- スローガンとして「Happy Ending Loves Preparations(そなえよ、さもなくば地獄)」が掲げられています。
3. 終活の必要性:なぜ人は「そなえない」のか?
セミナーでは、終活をしない理由について意識調査の結果が示されています(会員制シニアコミュニティ『百寿倶楽部』の会員100名へのアンケート結果、2024年9月)。
- 終活をしていない理由(複数回答可):
- そろそろ始めようかと思ってる: 17人
- やり方がわからない: 15人
- まだ元気だから: 13人
- 大した財産もないから: 12人
- 死ぬことを考えたくないから: 9人
- うちはみんな仲がいいから: 9人
- こどもたちに任せてあるから: 7人
- ピンピンコロリするから: 4人
この結果から、「まだ早い」「やり方が分からない」「死を直視したくない」といった意識が、終活の妨げとなっていることが伺えます。
4. 「まさか」の認識と現実
参加者への質問では、「まさか」とは何か、現実的な「まさか」は何かを問いかけています。
- 「もうちょっと現実的なまさかとは 認知症(脳梗塞) & がん」
- 高齢者の初詣での願い事アンケート(2019年、2020年、2023年)では、一貫して**「認知症や寝たきりになりたくない」**という願望が最も高い割合を占めています。これは、高齢者が最も恐れる現実的なリスクが「認知症」であることを示しています。
- 山崎氏は、「まさかは突然やってくる」「まさかは必ずやってくる」「親のまさかは子のまさか」と強調し、これらのリスクに対する準備の必要性を訴えています。
5. 「親のまさかは子のまさか」の論点
- 「親はひとりじゃ死んでけない」「死んでも切れないおやこの縁」という言葉で、親が終活を怠ることで、その不利益が直接的に子供たちに及ぶことを強調しています。
- 特に、「親の不健康期間(平均寿命と健康寿命の差)が10年超の現代では、エンディングまでの支援に係る予算を、こどもに事前に渡しておく必要がある。(認知症で口座凍結となれば、子の側に立替えリスクが生じるため)」と述べ、金銭的な準備の重要性も指摘しています。
- 「財産管理と財産承継の段取りは、親のさいごの大仕事」であると位置づけています。
6. 人生100年時代のライフステージと終活
人生を25年刻みで区切り、それぞれの期間のテーマが提示されています。
- 第1四半世紀(25歳まで): 自分さがし
- 第2四半世紀(50歳まで): 自分づくり
- 第3四半世紀(75歳まで): 自分のこし
- 第4四半世紀(100歳まで): 自分さがし再び
- 「後期高齢者の仲間入りをする75歳がそのタイミングになろう。第4四半世紀は天からのギフトと捉え、地域社会に役立つ生き方をさがしたい。」と述べられています。
- 結論として、「50歳を過ぎたらASAPで」終活に取り組むべきだと提言されています。
7. 終活の具体的な進め方:「百寿曼荼羅」と「賢者の一筆」
- 「終活ベーシック9(百寿曼荼羅)」: 「親が最低限そなえるべき9つの決め事」として提示されており、詳細な解説が行われる予定です。
- 「賢者の一筆」: 「選ぶだけ!その場でデキちゃうエンディングシート」として紹介されており、セミナー参加者には「9つのマス」への記入が推奨されます。
- 「現役の第一線でご活躍の かけがえのないお子さんたちに プライベートのリスクヘッジを 私と一緒にやってみないか…と お声をかけてあげてください」と、子供たちへの終活の呼びかけを促しています。
- 「中級編」セミナーも開催予定で、受講者特典として「争族リスク診断シート」が提供されます。
8. まとめ
山崎宏さんのセミナーは、「人生100年時代」において高齢者自身が「生涯主役人生をまっとう」し、同時に大切な家族に「不利益を被らせない」ための「終活」の重要性を強く訴えるものです。特に、**「認知症」**という現実的な「まさか」への恐怖を背景に、健康寿命と平均寿命の差10年がもたらす家族への負担(特に金銭面)を回避するための具体的な準備、すなわち「そなえ」と「よぼう」の実践が強調されています。エンディングノートや家族会議といった具体的な行動を促し、50歳を過ぎたら早急に取り組むべき課題として位置づけています。

以 上(森川紀一)