| 日 時 | 2026年03月20日(金)昭和の日 |
| 場 所 | Hybrid DF751とZoom |
| 講 師 | メモリークリニックお茶の水 理事長 医学博士 朝田 隆先生 |
| 参加者 | リアル 8名 オンライン 24名 録画視聴 5名 |

概要
筑波大学名誉教授 医学博士 朝田隆氏による、認知症予防と「生老病死」を穏やかに生き抜くための秘訣をまとめたものです。認知症は加齢が最大のリスクですが、難聴の改善や生活習慣病の管理、運動、知的活動によって発症リスクを大幅に下げられることが解説されています。また、加齢に伴う孤独感への対処として、ペットや植物の飼育、感情を素直に出すことの重要性が説かれています。後半では、家族に負担をかけないための「就活(終活)」に触れ、エンディングノートの活用や遺産・葬儀の段取りを元気なうちに整えることを推奨しています。全体を通して、単なる病気予防に留まらず、人生の終盤を「生き切る」ための具体的な知恵と覚悟が提示されています。
音声による概要説明(2分10秒)あさだ たかし先生です。
もう少し詳しい音声付スライド(6分49秒)
食べ物の秘訣(下の画像をClickしてみてください)
ご参加された方々のご意見からの考察
1. 開催概要と本レポートの目的
2026年3月20日、健康医療研究会は「生老病死を生き抜く」という極めて根源的かつ切実なテーマを掲げ、第42回セミナーを開催いたしました。
本レポートは、当日参加した会員からの多角的なフィードバックを精緻に分析・再構成したものです。本資料の目的は、単なるアンケートの集計報告に留まりません。当日の知見を言語化して共有することで、当日参加が叶わなかったディレクターフォース(DF)会員との「知識の橋渡し」を行い、組織全体に知の共有文化を根付かせるための「戦略的資産」として活用することにあります。
2. 総合評価:専門性と親しみやすさの融合
今回のセミナーは「大変参考になった」「参考になった」という回答が圧倒的多数を占め、極めて高い満足度を記録しました。この成功の核心は、講師を務めた朝田氏の「卓越した専門性」と「論理的な明快さ」の高度な融合にあります。
参加者からは、単に「わかりやすい」というだけでなく、リスク因子とその背景にある医学的理由(ロジック)まで詳しく説明されたことで、内容への信頼が深まったという声が多く寄せられました。専門的な知見が具体的かつ平易な言葉で語られたことが、参加者の知的好奇心を刺激し、深い納得感へと繋がったと分析されます。
3. 主要な学びと気づき:認知症予防の新たな視点
アンケート結果からは、参加者が自身の知識を最新の医学データに基づいてアップデートし、強い納得感を得た3つの主要ポイントが抽出されました。
① MCI(軽度認知障害)の正体
「認知症発症者は増えていないが、予備軍であるMCIが急増している」という衝撃的な事実は、多くの参加者に早期対策の重要性を痛感させました。特に「MCIは認知症ではない(可逆的である)」という定義の明確化が、過度な不安を払拭する契機となりました。
② 驚きのリスク因子と科学的対策
医学的エビデンスに基づく具体的なリスク管理が、強い印象を残しました。
- 意外なリスク因子: 特に「難聴」や「高LDL」が認知症リスクに直結するという指摘には、驚きとともに自身の健康診断結果を再確認する声が相次ぎました。
- 実践的なキーワード: 食生活の合言葉である「まごたちはやさしい」や、有酸素・レジスタンス・バランス運動の組み合わせなど、日常に取り入れやすい具体的な指針が行動変容への動機付けとなりました。
③ 防御の要となるマインドセット
最も多くの共感を集めたのは、予防の原動力としての精神性です。
- 「めんどくさい」は認知症への入り口: この警句は多くの参加者の心に深く刻まれました。
- 「好奇心」と「社会接点」: 常に外の世界に関心を持ち、他者との繋がりを維持することが最強の防御策であるという結論。
- 「ひるまない」姿勢: 老いに対して臆することなくアクティブに活動し続けるマインドが、予防の鍵であることが再認識されました。
4. 終活とリスク管理:家族へ伝えたい知恵
本セミナーでは、認知症予防という「健康管理」と、生前葬や相続といった「終活」を地続きの課題として提示しました。一部の参加者からは、過去のセミナー(山崎宏会員の講演等)との重複を指摘する声もありましたが、本セミナーの価値はそれらを個別の事象ではなく、人生全体の「リスク管理」として統合した点にあります。
- 意思伝達の準備: 自身の意思が通じなくなる前に、相続やケアにおける「キーパーソン」を設定し、伝達事項を整理しておく実務的な重要性が強調されました。
- 家族への共有: 生前葬の考え方や、相続の具体的な方針など、「家族や知人に是非伝えたい」と感じる具体的な知恵が多く共有されました。
5. 建設的批判と今後の改善に向けた提言
セミナーの質をさらに高め、DF全体のUX(ユーザー体験)を向上させるため、運営面での課題を次回の資産として整理しました。
| 課題カテゴリー | 具体的な内容 | 改善への提言 |
| オンライン環境・UX | 未ミュート参加者による雑音の混入。講師の顔が見えにくい(視認性)。 | 主催者側での一括強制ミュートの実施。講師カメラの画角・ライティングの改善。 |
| 資料の視認性 | 「スライドの文字が小さすぎて読めない」との指摘あり。 | 高齢の受講者に配慮し、フォントサイズを拡大したユニバーサルデザインの徹底。 |
| 質疑応答の管理 | 質問者の自己説明が長く、焦点がぼけてしまう。 | 「質問は1分以内」という明確なルール設定とモデレーターによる徹底。 |
| プログラム構成 | 終活テーマの重複感。 | 前回までの知見を前提としつつ、今回は「認知症予防の実践」へさらに比重を置く。 |
これらの批判は本活動への高い期待の現れであり、オンラインとリアルのハイブリッド開催における細やかな配慮が、コミュニティの満足度をさらに引き上げると確信しています。
6. 結論:持続的な学びのコミュニティとして
「健康医療研究会の活動は、DF(ディレクターフォース)の中でも特筆される活動である」という参加者の言葉に象徴されるように、本セミナーは単なる知識提供の場を超え、会員が自身の「老い」にアクティブに向き合うための重要なプラットフォームとして機能しています。
今後は、要望の多かった「MCIの実践的対策」や「最新医療の動向」をさらに深掘りするとともに、広報活動を強化してこの「資産」をより多くの会員へ届けてまいります。
自身の健康と人生の質(QOL)を自らコントロールするために。次回のセミナーでも、皆様の積極的なご参加と、知的な刺激に満ちた対話をお待ちしております。共に「生老病死」を賢く、力強く生き抜いていきましょう。
健康医療研究会 事務局 森川紀一