| 日 時 | 4月14日(火)14:30~16:30 |
| 演 題 | 「暗号資産と分散型金融」 |
| 講 師 | 並河秀憲会員(1386) |
| 場 所 | 大阪市総合生涯学習センター 第1会議室 |
| 参加者 | 関西会員9名、Zoomで約40名 |
暗号資産については、最近では日本でも取引所が増え、身近な存在になってきたように思われます。なぜ暗号資産が投資対象になりうるのかについて、まずお金の本質から説き起こしていただきました。

貨幣の三機能(交換の媒介・価値の尺度・価値の蓄蔵)を確認したうえで、私たちが日ごろ「お金」と思っているものの約90%は、実は銀行の台帳上の数字にすぎないという事実が示されました。銀行は預かった預金を繰り返し貸し出すことでお金を「創造」しており(信用創造)、私たちはその仕組みが正しく機能することを、銀行という管理者への信頼に委ねているわけです。
リーマンショックや日本の金融危機がまさにその「信頼」の脆さを露呈したことも改めて示され、「管理者を信じなくてもよい台帳」を目指したのがブロックチェーンであるという流れで説明がなされました。
その上で、なぜビットコインが「金(ゴールド)」に匹敵する資産性を持ちうるかが整理されました。
金が長年にわたって普遍的な価値を持ち続けた理由は、
①希少性・有限性、
②供給の逓減、
③不変性、
④複製の困難さ
という四つの特性にあります。
ビットコインはこれをデジタルの世界で再現しており、
①最大供給量2,100万枚という上限、
②約4年ごとの半減期による供給逓減、
③ハッシュ関数と分散ノードによる改ざん耐性、
④トランザクション連鎖による複製阻止
が、それぞれに対応しているとのことです。
さらに、従来のデジタルデータが資産になれなかった理由として、
・コピーが瞬時・無コストで可能なこと、
・所有者を証明する仕組みがないこと、
・二重使用(ダブルスペンド)を防げないこと
が挙げられました。
ビットコインはこの三つをすべて解決することで、デジタルデータが初めて「資産の三条件(希少性・唯一性・移転可能性)」を満たせるようになったという、大変腑に落ちる説明でした。
代表的な暗号資産であるビットコインの時価が165兆円、イーサリアムが30兆円という大きな市場となっており、暗号資産が「金」と同様の投資対象として認知されつつあることがわかります。また、イランがホルムズ海峡の通過料として「元」とともに暗号資産も決済手段として認めたことも、認知度の高まりを示す事例として紹介されました。
こうした現状認識を踏まえ、暗号資産を支える分散型台帳であるブロックチェーンのしくみと、自ら立ち上げた実験企業による暗号資産投資の経験がまとめられました。
ブロックチェーンについては、中央集権型台帳との比較から説明がありました。
銀行等の中央集権型はハッキング等のリスクが高い一方、分散型は全員が台帳を参照できるが誰も改ざんできないシステムということでした。
中央集権型は銀行・国等の保証が期待できる反面、制約も多く、分散型はいつでも誰でも参加できる代わりに、すべて自己責任となるという違いが示されました。
ビットコインの最大供給量は2100万枚で、2026年現在すでに約2000万枚が流通しており、残りは100万枚ほどとなっています。中央集権的な台帳しか知らない世代の自分ですが、大変刺激的な学びの機会をいただきました。
以 上(DF関西 岡本正敏)

