神田川環七地下調節池見学記
環境部会見学企画分科会

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実 施 日2026年5月21日(木)14:00~15:20
見学場所神田川環七地下調節池
参 加 者10名
(環境部会6名、技術部会1名、NPOブルーアース2名、経営支援NPOクラブ1名)

環境部会見学企画分科会は4年半の活動休止を経て活動を再開しました。その第1弾が神田川環七地下調節池の見学です。本施設の見学は6年前に計画しましたが、新型コロナ感染禍で中止になり、今回、やっと実現しました。

神田川は三鷹市の井の頭池に源を発し、途中、善福寺川、妙正寺川を合わせて隅田川に注ぐ延長25kmの一級河川です。調節池は増水した神田川の水を一時的に貯留するため、環状七号線の地下43mに掘削されたトンネル(直径12.5m、長さ4500m、容量54万㎥)です。取水施設は神田川本流、善福寺川、妙正寺川の3か所にあります。今回見学したのは善福寺川取水施設と、そこから入る調節池 (地下トンネル)です。

まず取水施設管理棟の会議室で、都市型水害、地下調節池の役割についてビデオ説明を受け、模型展示室で取水施設の仕組みの説明もありました。

地下トンネルはシールドマシンで掘削し、壁面に厚さ60㎝のコンクリートブロック(セグメント)をリング状に組み上げて作られましたが、シールドマシンの模型も展示されていました。

右の画像クリックで動画を閲覧できます。
「神田川・環状七号線地下調節池」
(You Tube東京都建設局公式チャンネル)

本地下調節池の第1期工事(2000m)は1997年4月に、第2期工事(2500m)は2005年9月に完成しました。調節池は2005年10月までに、47回稼働し下流域の洪水の軽減に貢献しました。

この後、取水施設機械棟へ移動しました。機械棟の下には外径28m、深さ57mの立坑が掘られています。エレベーターで立坑を降りると、取水口から導入され滝となって落下する水を一時的に貯める池と、洪水が収まった後貯留した水を川に戻す排水ポンプがあります。落下する水の勢いはドロップシャフトで減衰されるので、池は減衰池と呼ばれます。薄暗い減衰池を覗くと、底に少し水が溜まっていました。

減勢池に溜まった水は導水連絡管 (直径6m、長さ150m)を通って地下調節池に流れ込みます。導水連絡管を歩いていくと、突然、壁面に描かれた沢山の色鮮やかな絵が眼に入ってきました。

地元の小学生が19年前の完工記念に描いたもので、無機質な空間がそこだけ華やいでいました。導水連絡管も地下調節池もメンテナンス、清掃がきちんとされており、汚れが全くありません。(コンクリートの状態をチェックしたマークは沢山あり。)

地下調節池は何の変哲もない地下トンネルですが、圧倒的な存在感がありました。導水連絡管から入ったすぐそばのエリアには水はありませんが、その先に行くと水が少し溜まっていて、小さなザリガニが1匹いました。

以前、狸や蛇が流れ込んできたこともあったそうです。ライトを消すと真っ暗闇になります。やまびこ体験もして地下調節池を十分に楽しみました。この空間でミニコンサートが開かれたこともあり、色々な楽しみ方がありそうです。

見学会の後は、最寄りの地下鉄丸ノ内線方南町駅前のファミレスで懇親会を開きました。今回の見学会には環境部会以外の方が多く参加されていて、いつにも増して会話が盛り上がりました。

以下は見学参加者の感想です。

〇 環七の地下にあの様な形の設備があるとは考えてもいませんでした。

〇 地下調節池は初めて見ましたが大規模で様々な施設の工夫に驚きました。建設に携わった方々の強い思いや日本の高い土木技術の継承も感じました。

見学会は有意義でしたがアフターも会話が盛り上がり楽しく過ごせました。

〇 長期的、計画的に防災対策を進めている日本は素晴らしいと思った。洪水対策として「環七の地下トンネル」が妥当であることのスマートな説明があればさらに良かった。

〇 900億円の総費用とのことでしたが、この施設を観光等多目的な利用を本格的に考えると良いのではと思いました。(都の水道局以外の人のアプローチが必要か)

〇 誰が環七地下調節池を計画したのかの質問に、東京都建設局のメンバーが設計、施工までしたと自信をもって答えられていたのが印象的でした。また、観光資源として非常に有望だと思うのがとの質問に、旅行会社が企画中でもあるとの答えでした。

〇 40年ほど前ですが、会社の出張の合間に行ったニュージーランドのツチボタル洞窟見学を思い出しました。今でもその幻想的な光景が目に浮かびます。今回全く光・音が無い中、壮大な空間に入り、神秘的な感動を得ることが出来ました。贅沢を言えば、もう少し中での闇・無音の時間を長く(10-20分)、簡易ソファー等で無我の境地を堪能出来ればと思いました。

〇 環7から環8の間の神田川は以前は大雨になると水位が一杯一杯になり、時に氾濫しました。知人の家では車庫の車が水に浸かり、保険が下りて新車を買えた、と言うような話しも聞いた記憶があります。唯だここ十年以上は、地球温暖化で豪雨となる回数が増えているはずなのに、氾濫したことは多分ありません。存在を知ってはいましたが、取水設備を実際に見て、その巨大(構想と実空間)さに、成程と感じ入りました。

工事期間中は、神田川沿いの自転車散歩でいつもの道が閉ざされていて回り道をしなければならず、長く不便を感じていましたが、今思えば住人のための工事だったわけです。
今後更に延長し、東京西部地区の治水レベルを高めていく長期計画も知りました。目立たない事業ですが、生活を守る努力をしてくれていて、有り難く、頼もしく感じました。

〇 地下調整池は完成前にも下流洪水を防いだとのエピソードを聴いた。トンネル建設中に大量の河川出水があり、工事中のトンネルに水を引き入れる決断をしたのだそう。トンネル内にある重機、資機材を水没で犠牲にしたわけで、建設関係者の事後処理は大変だったかもしれない。

〇 今回の地下空間は、小生の見た人工地下空間では岐阜のS.カミオカンデ、栃木の大谷石採石場跡に次ぎ迫力がありました。但し、地域住民の洪水被害に対する貢献は認めるものの、システムの全体構想そのものには失望を禁じ得ません。

① 時間的に99%が未使用の巨大空間を何らかの形で活用する多様な発想が無かったのか?マレーシアKLではSmartトンネル(約10km)があり、交通渋滞緩和と非常時の洪水用貯水を兼用し機能を発揮しています。ITを駆使しして、将来の国家非常事態に備えて首都の強靭化への活用を期待します。

② 取水した水を多大な電力を使い元の川に戻すと言う点も納得が行きません。ある程度時間をかけて排水するのであれば、排水経路を複数設けて街路樹注水や、中水等への利用の発想が出来なかったのか?今後、首都を襲う猛暑に対する何らかの施策に用立てるべきと思います。

③ 最後に、最善の方法としては、電力を使わず、水の流力だけで河川水を海洋に流し込む地下河川構想かも知れません。現行貯水槽を10㎞程度延長?する計算になりますが、水路の口径も現行よりも狭く出来ると思いますので、地上住民の住居への影響も最小に出来て反対も少なくなると期待します。この構想を是非復活させて貰いたいと考えます。

NPOブルーアースの松岡さんは動画を作成されました。
右の画像をクリックでご覧頂けます。

以 上 (中西 聡 環境部会見学企画分科会)

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