| 日時 | 2026年6月10日(水) 14時30分~16時35分 |
| 講演 | 「最近の海底鉱物、資源開発を巡る状況について」 |
| 講師 | 大場浩正氏(海外鉱物資源開発社長、深海資源開発社長) |
| 場所 | 航空会館 |
| 参加 | 会場 42名 Zoom 14名 |
講演の趣旨
今回は、南鳥の海底資源で脚光を浴びている日本の海底鉱物開発の現状について、海外鉱物資源開発で指揮をとられている、大場浩正さんにお話をいただいた。
マンガン団塊を海底から集める様子など、初めて目にする映像など大変興味深いテーマであり、日本の今後の海底鉱物資源開発が抱える課題や将来展望につき、深く考えさせられた。多くの質疑が交わされ、関心の高さを感じる話題であった。
説明と資料 (下記 会員限定の講演資料を参照ください)
主な質疑
| Q | 技術をベルギーの会社から導入と言われたが、技術の信頼性はあるのか |
| A | 現地も見てきた 技術のデゥーデリもやっている、計画内容も検討した |
| Q | 環境問題があると思うが、海底はどうなのか |
| A | 掃除機で吸い取るように採取する 極力生物に影響を与えない方法を考えている また、ISAは鉱区と同じくらいの保護区域を保有し問題があればそこから回復に活用する |
| Q | 自分は1970年代より海底エンジニアリングに関心を持っていた、50年を経た今エンジニアリングに遅れがあるのではないか 海底鉱物資源に対する日本の位置づけはどうなのか |
| A | JOGMECは海底熱水鉱床の開発を進めている、日本が進んでいる マンガン団塊は海外が進んでいる レアアースは日本独自で進めている 鉱物の吸い上げは海外の技術 まだメインはベルギーの技術を吸収したい |
| Q | 鉱区はどのように決めるのか |
| A | ISAのホームページで見ることができる 日本は事前に調査し、その一部を鉱区としてISAに申請 ハワイの西側と、東側に持つ 他国ではどこの国も鉱区を設定していないところを鉱区として申請する、維持金は必要 ISAに払う |
| Q | 揚鉱技術、レアアース6000mパイプをつなげるようだがGSRに技術はあるのか |
| A | マンガンでやったことはない、しかし浚渫の経験からの技術がある |
| Q | これからに期待したい 日本の高炉や転炉の活用などはどうなのか |
| A | 高炉はマンガン回収に使える、JFEミネラルで絞った後のMn鉱石に使う |
| Q | ISAの環境評価どうなのか 中国は緩く、EUは厳しいと聞いているが |
| A | 中国は緩くはない EUは厳しく言う 中国は独自に開発を進めているが、環境にはいまのところ厳しく対処している |
| Q | EEZ外の開発は国際的にどうなのか |
| A | EEZ内は自国開発 EEZ外はISAが監査する |
| Q | 汚泥が流れて外に行くことはどうなのか 深海海流があるというが |
| A | 戻す海水の場所が課題、TMCは海面下2000mでの排水でも生態系に問題ないとの意見 |
| Q | 新聞でレアアースについていろいろ出てくる 中国の規制、アメリカが中国は日本に出せと支援 中国のウイグル地区での人権問題 など政争の道具になっている これらのいろいろな情報に整合性はあるのか |
| A | レアアースは世界の90%中国、コンゴなどの生産国も、精錬は中国に送っている 陸上鉱山のレアアースは放射性物質を含み、この処理が大変 中国はこれを考慮せずに処理しているためにコストが安いという 精製の技術は日本などの技術を勉強して作った この安いレアアースを日米は分かっていながら購入してきた 放射性物質の処理をすると安くはできない レアアース製品は基本的に安い鉱物、しかも使用量は少量 採算性は難しい製品 政策的にキャップを設けて保護するしかない 海底からのレアアースは放射性物質がほとんどない マンガン団塊の中にもレアアースが含まれている 南鳥島のレアアース泥は良い品質 |
| Q | 大学で海洋に関する技術を見てきた、波浪発電や潮流発電など 海底資源に対して大学では研究されているのか |
| A | 大学とは共同研究している 主には精錬は東北大学、環境は京都大学、機械は東大など 国立大学が多い、私大系は少ない |
| Q | 研究のレベルは保たれているのか |
| A | 事業化されると研究が増える 学会レベルでは成果が出ている 高知大学の海洋コアセンターなどは世界的な研究センターになっている |
| Q | 南鳥島は内閣府の所管とのこと 採算性が見えてきたら移管されるのか METIか |
| A | そのような流れになるだろう |
| Q | 鉄鋼は日本では大きな産業だったが、今は縮小 海底資源開発はDORD(深海資源開発㈱しかないのか |
| A | 1990年代当時鉱物は安く買って来ればよい という考えで日本は下火に 今後DORDの事業に採算性が見えてきたら、非鉄や商社などの参入の可能性があり、DORDが中心になって民間でやる可能性がある 資本構成や主導権をどこが持つか 悩ましい問題がある |
| Q | 日本は成果が見えない、実績がないなどと言ってやめてしまう長い歴史がある やり方がまずいのではないか、赤字でも大切なことはやるという覚悟が必要だ |
| A | DORDはハワイ沖のマンガン団塊を海底鉱物資源商業化の先陣でやる レアアース泥はパイロット、精製設備は南鳥島に作る計画が出ている 南鳥島に民間が出ることは国にとってもよいこと |
| Q | 今後また金属の価格が下がると採算性が悪くなり、開発がとん挫する可能性がある 今の金属価格ベースが上がっているが、これがキープされるとみてよいのか |
| A | 金属価格の価格レベルははっきり変わった 現状の陸上鉱山もこのレベルに合わせてきている DORDの実力が陸上鉱山を含めて中間レベルにあれば事業は継続できる |
| Q | 需要のメインはどこにあるのか |
| A | 中国の需要が大きい 伸びているのはインドなど新興国 特に銅の伸びが大きい 世界のGDPの伸びに比例して需要が伸びる |
以 上(浅野応孝)
