「EVと電池交換方式」
レポートと動画 山﨑雅史会員(804)

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山﨑雅史会員(804)より「EVと電池交換方式」のレポートと動画を頂きました。
山崎会員は毎月のように詳細なデーターに基づく自動車業界の分析を公開、今回も
「いつの間にか社会実装面で世界のトップ集団からの遅れが目立ってきているこの国が、周回遅れになる前に本気を出してオールジャパンの力を結集して、巻き返しに必死にならないと後がない」
と、業界OBとして警鐘を鳴らしています。
以下、山崎会員の要約、レポートPDFと動画(YouTube)をご覧ください


今から19年前に、スタートアップのベタープレイスは電気自動車の車体と電池を切り離し、電池の交換方式を導入することで、自動車のエネルギーを石油から電気へと置き換え、そのインフラと課金システムを牛耳るプラットフォーマーになろうとしました。しかし、電気自動車市場の未成熟、メーカー間を超えての電池の標準化の難しさや、巨額のインフラ投資が足枷となり2013年に経営破綻しました。

このクルマと電池を分ける「車電分離」や「サブスクリプション」のアイデアに中国政府が関心を示し、政府の旗振りのもとで民営企業を中心に電池交換方式の社会実装が中国で本格化し、今では中国国内に約6千もの電池交換ステーションが稼働しています。一方、中国の新興自動車メーカー、NIOは、欧州に自社の電気自動車を出すとともにノルウェー、ドイツ、オランダ、スウェーデン、デンマークで電池交換ステーションを稼働させています。中国CATLは電池メーカーの強みを活かし、電池交換方式用の電池を開発し、中国国内で大手自動車メーカーと共に電池交換方式の普及を広めるだけでなく、商用車、特にトラックに焦点を合わせて、欧州に電池交換ステーションを普及させる動きを取り始めています。

電気自動車の社会実装が進んでいる中国では実装を通じて様々な課題に直面し、それを解決することでさらに進化するというサイクルが回っています。電気自動車の心臓部の車載電池については競争領域と協調領域の棲み分けが明確になっており、前者においてはエネルギー密度、急速充電速度、低温性能、新電池の開発等を巡って激しい競争を繰り広げて技術革新を進め、後者においては商用車向けに電池規格を統一して共通化を図り、電池交換方式を広げることで商用車の運行効率を上げるだけでなく、仮想発電所という社会インフラを造り上げる活動にもつながり、電気自動車を大規模に社会実装できている国ならではの強さを感じます。

電気自動車や自動運転等において、いつの間にか社会実装面で世界のトップ集団からの遅れが目立ってきているこの国が、周回遅れになる前に本気を出してオールジャパンの力を結集して、巻き返しに必死にならないと後がない時期に来ているのを痛切に感じます。

36分の動画になります。マスコミがあまり書かないEVの電池交換についてまとめてみました。ご覧いただければ幸いです。

猛烈な暑さが連日牙をむいて襲ってくるように感じます。熱中症にはくれぐれもご用心ください。

資料PDFは上記絵をクリック
動画Youtubeは上記絵をクリック

2026.7.15 山崎 雅史


以 上(横山英樹)

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