企業ガバナンス部会/第21クール研究会成果発表会

  • LINEで送る
日 程2026年7月6日(月)
発 表第21クール企業ガバナンス部会研究会成果発表会
会 場日比谷図書文化館
参 加37名(会場リアル参加21名、オンライン16名)

企業ガバナンス部会主催研究会A,B両グループの成果発表会は、7月6日(月)日比谷図書文化館で開催された。
本年1月のキックオフ以降小集団による研究活動が7月上旬まで6カ月にわたり繰り広げられ、毎月開催している月例セミナーと共に企業ガバナンス部会の看板事業である。

今回は会場でのリアル出席者は午前と午後で21名に上り、発表後には活発な質疑応答が行われた。開会冒頭國安企業ガバナンス部会長から、研究会活動は2010年に開始され今年で16年目を迎える、昨年迄のバトンを受継ぎメンターのサポートの下長期間にわたり研究活動に注力頂いたメンバーの皆さんの努力と熱意に敬意を表する旨の挨拶があった。発表会の詳細は下記をご参照願います。

時    間 10:30~12:30(発表90分、質疑応答30分)
メ ン バ ー田野(リーダー)、園田(サブリーダー)、内永、篠原、小西
メ ン タ ー柳澤、深井
テ ー マ「「稼ぐ力」を強化するコーポレートガバナンスと取締役会のあり方」
 ~経産省「稼ぐ力5原則」の実効性を分ける仕組み化とは~
構成・担当① 研究の狙いと全体像(田野)
② 「稼ぐ力」の強化に向けたCGガイダンスに対する認識(園田)
③ 事例研究-7社の実態分析
先進2社(ダイキン、神戸製鋼所)
教訓2社(日産、ニデック)
注目3社(キオクシア、リガク、京セラ)
を5原則で評価(篠原、田野、園田、小西)、
欄外コラム IBMガースナー改革とジョブデスクリプション活用による仕組み化の重要性(内永)
④ 「稼ぐ力」の仕組み―実効性を分ける5要件(園田)
⑤ 結び―社外取締役への3つのアクション(園田)
主 な 内 容2025年4月経産省が発表した「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則が実際に稼ぐ力のある企業で機能しているか、形骸化する条件、実効性を決定付ける要因や社外取締役が取るべき行動について、7社の事例を13の評価項目で分析し検証を実施(インタビューはダイキンで実施)。IBMの事例より卓越した経営者の判断・哲学・経験という属人的資源をジョブデスクリプションにより文書化し、プロセスに落とし込み経営者が交代しても再現出来るようにする仕組み化の重要性について説明された。
質 疑 応 答・社外取締役の情報の非対象性(社外と社内の情報格差)についてはどう考えているか。
 ⇒社外取締役個人のセンスによる。企業経営者が社外取締役のケースもある。
・ジョブデスクリプションと人材評価や育成の繋がりについてどう考えるか。
 ⇒「任せて任さず」との関連では、リスクの高い海外子会社については任さずの意味でジョブデスクリプションは重要であり、人材育成に繋げる意味もある。
・サクセッションプラン特に社外取締役の選定方法についてどう考えるか。
 ⇒社外取締役が指名報酬委員会の委員長になり透明性を確保する。一般的に外資系企業では社外取締役の意見の方が社内取締役より相当厳しい。
・CGコード改訂で指摘されている現預金や内部留保の有効活用の観点で、社外取締役が事例7社に対し指摘すべきポイントについて参加者からコメントがあり参考になった。
時    間 14:00~16:00(発表90分、質疑応答30分)
メ ン バ ー千田(リーダー)、水本(サブリーダー)、友納、中田
メ ン タ ー加藤、斎藤
テ ー マ「ファミリービジネスにおいて第三者はいかに機能するのか」
~ガバナンスと承継を繋ぐ媒介機能の研究~
構成・担当① 研究背景(千田)
② 主要先行研究(水本)
③ ファミリーガバナンス・ガイダンス(水本)
④ 事例研究・インタビュー調査(友納)
⑤ 考察(第三者の仲介機能)(友納)
⑥ ディレクトフォースへの提案(千田・中田)
主 な 内 容“研究を研究で終わらせない”との強い思いから、DFの新活動としてファミリーガバナンス診断シートに基づく企業の診断から承継リスク、家族内対立リスク等を未然に防ぐ方向性の提示迄、信頼に基づく伴奏支援を行う「ファミリーガバナンス支援チーム」のDF内創設について提言が行われた。
経産省によりファミリーガバナンス・ガイダンスが出された2026年を支援チーム始動の年として、企業支援本部との連携により診断シート施行やパイロット案件の実施、本格運用開始を目指す。
質 疑 応 答・オーナーの信頼を得ることがポイントでフィーモの大澤社長の例でも長い時間がかかっているので、やるからには覚悟を持ってお願いしたい。
 ⇒承知している。企業オーナーに平時にリスクをどう予知して貰うかがポイント。
 ⇒経産省もファミリーガバナンス元年と言っており、今年は取組むチャンスだ。
・オーナーをその気にさせる為の営業活動はどうするのか。
 ⇒企業支援本部支援先に診断シートをトライアルで使って頂くことから始めたい。
・中小企業向けビジネスはIPOやM&Aでは収益が見込めるが、事業承継では難しい。
・CGコード原則4-4にあるサイバーセキュリティや経済安全保障についてリスク
の観点から勉強して欲しい。
織田代表講評企業支援本部と支援先に対する診断シートトライアルの議論を進めると共に、東京商工会議所や行政・金融機関などに対して報告しDFのファミリーガバナンスへの取組みを外部にアピールして頂きたい(DFは横浜市で伴走支援の成功事例あり)。中長期にわたる案件だがリスクは未来への投資と考え、覚悟をもって粘り強く進めて欲しい。(Bグループに参加)

当日の録画配信と共に実施したアンケートを以下ご紹介する。

【全体】   
・発表のレベルが年々上昇しておりプレゼンを聞くことが楽しみだ。
・A、B共通で、DF内に留まらず対外発表することで、議論が進展することを望む。

【Aグループ】
・益々重要になった社外取締役に従来と違った視点からメスを入れた良い内容だった。
特にジョブデスクリプションの概念を採り入れたことが印象的だった。同時に人材評価と育成についても言及があれば良かった。
・この研究成果を外部のガバナンス研究団体で発表し、更なる議論を進めて頂きたい。
・「稼ぐ力」の発揮に当たり、社外取締役には事業の深い理解を踏まえた適切なアドバイスやリスクテイクの後押しが求められ人選の重要性への言及も必要と感じた。

【Bグループ】
・大変しっかりした構成で説得力があり、DF内にファミリーガバナンス支援チームを組成することを提言し「研究を研究で終わらせない」というBグループの姿勢は良い。
・Bグループのファミリー企業へのサポートをDFの事業にする提言については、実行する上での課題(人材、ノウハウ等)は多い。メンバーに推進する意欲があるのであれば是非チャレンジして頂きたい。
・「第三者の媒介者」によるファミリー企業経営者への食込みは容易ではないと想像され、10年掛けてDFが取り組む覚悟が必要で、推進者の継承も課題になろう。
・ファミリー企業に必要なのは社外役員の肩書ではなく、第三者機能であることが理解出来た。オーナーが個人的信頼を置いているかが前提であり、DFが伴走者となっても同様に信頼関係が求められるものと思われる。

以 上(國安幹明)

  • LINEで送る
pagetop