| 日 時 | 7月2日(木)15:00~18:00 |
| 演 題 | 「美しく住みやすい清里高原の未来」 |
| 講 師 | 船木 上次氏 萌木の村株式会社 代表取締役社長 |
| 場 所 | スタジオ751+オンライン 会場25名 Zoom15名 |
講師の舩木氏は山梨県北杜市清里に生まれ、1971年地元に喫茶店「ROCK」を開業し「萌木の村」をスタートさせました。以降55年を経て「萌木の村」は、レストラン、ホテル、カフェ、ビール醸造所、オルゴールホール、クラフトショップ等がパーク内に点在する複合観光エリアとなり、同時に自然との共生をテーマにしたナチュラルパークが拡がっています。講演ではこれらの長いご自身の経験をもとに新しいまちづくりについて話していただきました。講演は「萌木の村」の映像を見ながらスタートしました。
1.「萌木の村」について
自然との共生をテーマに「萌木の村」づくりを続けてきたが、2013年には英国人のランドスケープデザイナーであるポール・スミザー氏が加入し、本格的なナチュラルガーデンとなった。32,000㎡の敷地に700種超の植物が育ち、蝶、虫、蛍等が飛び交っており、昨年2月には「ナチュラルガーデンズMOEGI」は「自然共生サイト」に環境庁から認定されている。
また庭園で毎年7月末から10日間、敷地内の広場に屋外ステージを造り、美しい星空の下「清里フィールドバレエ」を開催している。今年は第37回目の開催となるが、多くの人々が自然の中で幻想的なバレエを楽しんでいる。
萌木の村の成功の背景には、「清泉寮」の創設者であるポール・ラッシュ博士の教えである「最善を尽くせ、しかも一流であれ」が常にあった。博士はYMCA会館建設のため来日し、1938年には宣教師の教育施設として「清泉寮」を建設した。以降亡くなるまで清里はもちろん日本の教育および農業の発展に大きく貢献している。


2.清里高原のポテンシャルについて
清里高原には、自然、歴史・文化そして芸術等高いポテンシャルが眠っている
世界一の山岳風景、日本一の日照時間、理想的な湿度、名水の地、豊かな森林、生態系の豊かさ、広大な牧草地など大自然の恵みを一杯に受けている地形である。残念ながらこれまでは地元の人々は気づいていなかった。
八ヶ岳南麓地域は縄文のメッカともいわれ、多くの遺跡があり、清里高原の自然の中に歴史を感じることができる。また「清泉寮」においては、90年に亘る教育、農業を中心とした活動の歴史と文化に触れることができる。
「萌木の村オルゴール館」では、パリ万博に出展された大オルガン、リモネールの迫力ある演奏を楽しむことができ、その運営ノウハウを生かし他の音楽会に広げていくことが可能である。また海ノ口にある八ヶ岳高原音楽堂では、年120回のコンサートが開催されている。さらに清里から少し足を伸ばすと、清里高原南麓には「清春白樺美術館」ほか数多くの美術館がある。
3.清里高原まちづくり構想について
これら清里高原のポテンシャルを活用し、自然との共生を最優先とした持続化可能なまちづくりを考えねばならない、そして地元住民とともに、移住してきた若人等に加えて老後の生活を考えている豊かな高齢者層、新しい清里高原で余生を迎えたくなるような街としていきたいと願っている。
船木社長はできる限り参加者の皆さんとの意見交換を望まれ、講演はほぼ1時間で切りあげ、質疑応答の時間となりました。

4.質疑応答
①住みやすい清里、魅力ある清里とは?
これまで述べてきたが、まちづくりは風が大事であり、質の高い風格のある風が吹いている街でなければならない。過去にはP.ラッシュ博士も、副島先生も「清里の遠景は素晴らしいが近景はいまひとつである。しかしこれは改善できる」と言っていた。
➁交流人口を増やすためにも、音楽会の開催は?
海抜1,000mは音の質が良く音楽会には最適で、すでに八ヶ岳高原音楽堂にはたくさんの人が訪れてい る。国内を見渡すと、富士山の見える富士河口湖のステラシアターでは、ベルリンフィルを招聘している。このように規模の大きな常設シアターを清里高原にも造りたいと思っている。オーケストラだけでなく鼓童等日本の伝統芸術の催しなども適している。※参加者からも「米国のタングルウッドなども良い見本」との意見もでた。
③ホテルが少ないのでは?
日本には次々ゴージャスなホテルができているが、リゾート地のホテルとしてのソフトを持つホテルが少ない。ホテルに付加価値をつけ真のファーストクラスにしなければならない。長期滞在観光客用としても必要である。
④DFに望むことは?
まちづくり構想は70~80%程度進んでいる。後はDFの叡智を加えてもらいたい。また構想を周囲の人々に理解してもらうことが必要であり、そのためには本の出版や映像の製作を考えたいので、DFの知恵をお借りしたい。
終了後、懇親会に移りましたが、舩木社長は参加者の質問に丁寧に答えていただき、また同行の舩木良氏(清里観光振興会会長)および仙洞田氏の2人も交え、楽しい意見交換は時間一杯まで続きました。
今回の勉強会を踏まえ、清里高原PJTで議論していく予定です。
以 上(市古紘一)