環境コラム28号 (牧野義司 1324)「再生可能エネルギーに大胆シフトを」

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イランホルムズ海峡封鎖など中東地域の緊迫事態が続く中で、日本は、中東依存の強い石油の比重を減らすだけでなく、この際、太陽光など再生可能エネルギーに大胆シフトしてエネルギー転換をはかることが、ますます重要になってきた、と言えます。

再生可能エネルギーは、太陽光に限らず水力、風力、地熱、バイオマスなどエネルギー源が多岐にわたって無尽蔵に存在し、石油のような、いわゆる地政学的なリスクが少ないことが大きなメリットです。

ただ、この再生可能エネルギー導入にあたっての問題や課題が数多くあります。
具体的には、太陽光発電を立ち上げる場合、電源化、電力化するための発電設備を整えることが必要です。また末端ユーザーの人たちに送り届けるための送配電ネットワークづくりも重要です。いずれも巨額の初期投資が必要で、その資金調達は難題です。

さらに重要なことは、この再生可能エネルギーが自然界に無尽蔵に存在するとはいえ、安定的に確保できるかどうか、という点です。太陽光の場合で言えば日照時間、日照度などが一定せず、しかも風雨が多い地域の環境だったりすると、発電量が不安定になり、電力の安定供給という点で、問題を抱えるためです。
 
しかし、それらの問題を勘案しても、太陽光など再生可能エネルギーに大胆シフトするメリットは十分にあると、私は考えます。端的には、巨額資金を必要とする石油など化石燃料の輸入を減らすことによって、貿易収支の大幅改善が見込めること、また、再生可能エネルギーを軸にエネルギーの自国内生産体制が確立出来れば、温室効果(CO2)を排出しなくて済むことなどがメリット点です。

この太陽光発電に関して、自宅の屋根に家庭用の太陽光発電パネルを取り付けて国の固定価格買い上げ制度(FIT)を2012年から活用されているDF会員の平尾光司さんの成功事例を紹介してみましょう。

平尾さんによると、地球温暖化防止へのささやかな貢献、それと国のプロジェクトへのチャレンジで電気代を削減したい、ということから約200万円の資金をつぎ込んで最大出力5KWHのシャープ製のパネルを購入し、専門家に、自宅の屋根に取り付けてもらい、2026年7月末時点での累計発電量は10万KWHとなり、電力自給率は135%。東京電力への売電実績は7万7000KWHにのぼっている、とのことです。

平尾さんは「ほぼ投資額は回収できており、現在は電気代がゼロ、CO2なども出さず地球環境問題に貢献できています」と述べておられます。すばらしいチャレンジです。
 
また、私の長年の友人で、宮城県仙台市近郊で太陽光発電と大規模農業を両立させている農業法人舞台ファーム代表の針生信夫さんの取組みも成功事例の1つです。

針生さんの場合、約4ヘクタールの水田で出力2500KWHの太陽光パネルの発電設備を稼働させると同時に、レタス栽培する隣接の植物工場にも送電して、これまでの使用電力量を70%も大幅削減できる仕組みをつくっています。農業リーダーでもある針生さんは周辺農家に対し積極的に電力供給を行って農業コスト削減につなげるなど、意欲的です。

再生可能エネルギーは、石油などに比べて、供給力が安定していないため、日本全体を支える主力エネルギーには、まだなり得ないのは事実です。

しかし、大容量の蓄電池開発などが進んでおり、今後、国や自治体、企業、さらには大学などアカデミアが連携して新たな再生エネルギーシステムの制度設計に取組めば、日本は間違いなく大きく変わるのでないかと思います。

 以上(牧野義司 DF超高齢社会問題研究会共同代表)

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