株式会社ファンケル美健 千葉工場 見学会

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2024年6月18日、関東甲信は平年より過去最も遅い梅雨入り予想とされる中、見学会責任者の四方様ご尽力で実現したファンケル美健千葉工場の見学会に世話人会の皆様相談の結果、事務局の守屋様ご案内のもとで会員10名が雨天決行にて参加し、ながれやまおおたかの森駅から1991年6月に完成した千葉工場見学棟にて化粧品とサプリメントをグループで唯一製造する複合型工場の見学会を開催致しました。

 1982年ファンケル化粧品の製造部門として設立した無添加化粧品を強みとした防腐剤を使用しない、5mlからの少量で直ぐに使い切ることを考えた、当時では珍しいパッケージに製造期間を記載する等、常識をやぶる発想で技術を駆使した製品開発に重きを置いている。
創業以来、ファンケルは、「安全・安心」を追求した自社生産に力を入れており、千葉工場は、医薬品を製造できるレベルのクリーンな環境と厳格な管理体制で生産を行っている。 「こだわりのものづくり」の現場として、無添加クオリティを実現するキーステーションは、2つの衛生管理システムに集約された特徴を持つ。

1.クローズドシステム:

化粧品の中身をクリーンに保つ為、人の手にも外気にも触れさせないパイプを通して容器につめるところまで運ばれる。

2.クラス100のクリーンブース:

容器につめる充填ブースは外気にふれる為、手術室レベルのクラス1,000よりクリーンな環境の中で医薬品レベルの環境を備えている。

見学会では、化粧品の原料(ローション:水系、クレンジング/乳液:油系)を乳化させる(本来は水と油のように混じり合わないものが混じり合う現象)仕組みを確認しました。
サプリメント見学は横浜工場のみとなり、千葉工場では菌を徹底的に対策する工程として、機械も純水の熱水80~90℃を利用して洗浄、洗浄後の粕は肥料とする迄の化粧品の製造ラインに特化した見学を行いました。

■国内外から選りすぐった原料から化粧品の仕上がりを左右する製造プロセス

化粧品の原料は1万種類程でファンケルは独自の安全評価基準「FSS」を設定し600種類程に絞り込んでいる。化学物質(防腐剤/香料/合成色素/石油系海面活性剤/紫外線吸収剤等)を完全排除した、原料・容器・生産・使用期間等で工夫を図り、生態系を守る「無添加化粧品」開発の進化を遂げており、研究所で設定する基準に対して、工場で生産を行う。

  1. 原料をはかる(秤量:mg単位で化粧品の処方に従って正確にはかる)
  2. 原料を調整釜に投入しつくる(調整:温度/時間/回転数を管理し化粧品の中身をつくる)
  3. 化粧品の中身を容器につめる(充填:清浄度の高いクリーンブースで安全性を確保)
  4. 中身がつめられた容器をつつむ(包装:化粧箱にひとつひとつ製造年月日を印字)

ファンケルの無添加化粧品は防腐剤等の添加物で肌荒れなどの肌ストレスが化粧品なのに「美の妨げになる」世の中の「不」を解消したいという想いが原点であり、原動力である。使い続けることで肌本来の美しさを引き出す化粧品は、ファンケル製造部門発祥の地、流山市十太夫旧工場(1982年~1991年)のファンケル美健研究所代表取締役社長池森政治様の工場操業で昭和57年から平成3年迄の10年間の歴史が色濃いと肌で感じました。
最終年度売上は130億円で従業員は約60人、当時の機械を駆使してここ流山から、確かな品質の化粧品をお届けし、人々の美と健康に貢献頂いたことを認識できました。

創業理念である、世の中の「不」の解消に向けて、経営理念の「もっと何かできるはず」を安心・安全・やさしさで追及し、「お客様に喜んでいただくこと」が基準となる地域・社会と共存する人々の健やかな暮らしに貢献頂いていることを理解することに繋がる見学会となりました。

食と農業研究会代表の中尾様から、ファンケル美健の素晴らしさは、独自基準の商慣習を市場に定着することができた(クレームに繋がらない、市場の基準を構築)認識力が一番の評価実績であることを学ばせて頂きました。
2024年6月14日、酒類大手のキリンホールディングスは、健康食品や化粧品を手掛けるファンケルを買収すると発表した直後の見学会となり、ファンケルの創業時からの想いを直接確認できる機会となりました。
会員参加者はプロの方が多く、担当者も質疑応答に確認を要する場面もあり、雰囲気が和む形で食品以外での初の見学は、大変有意義な会として無事進めることが出来ました。
見学会責任者の四方様段取りで見学打合せ及び現地下見等ご尽力により、地元食材中心の懇親会も行われ、会員相互の親睦も深まりました。次回以降の活動も楽しみにしております。

以 上(兒玉則浩)

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