山崎雅史さんから中国自動車産業についての研究成果の動画が送られてきました。
中国の自動車産業が世界市場で存在感を増している現状を分析しています。かつての日本の自動車産業の発展段階との比較から始まり、BYDなどの主要企業による新エネルギー車 (NEV)、特にEV (電気自動車)とPHV (プラグインインハイブリッド車)の販売動向、価格競争、技術革新に焦点を当てています。さらに、中国からの自動車輸出の増加、特にロシア市場への影響、そして中国企業の財務健全性、特にBYDの隠れた負債の可能性についても論じています。最終的に、低価格EVと高性能PHVが中国発の世界戦略車となる可能性と、日本メーカーが中国市場で巻き返しを図る機会が示されています。
以下は山崎さんのメッセージです。
今から約40年前にVWと上海汽車とで始まった中国での外資との合弁を通じて中国国営の自動車メーカーは技術力を高めてきました。一方、民営のBYDや吉利汽車は、異業種から自動車産業に参入し、外資の模倣を通じて学びながら独自技術を育て上げました。2015年に中国政府が打ち出した10カ年計画「中国製造2025」のもとで政府の資金的な援助を受け国営、民営ともに新エネルギー車の分野で飛躍的な成長を遂げ、いまでは新エネルギー車で世界を牽引するまでになりました。
祖業がスマホ用の電池であったBYDと小型電池からスタートしたCATLが「中国製造2025」の下で車載電池の分野で世界的な存在になったこと、EVだけでなく市場のニーズに応えながらPHVやレンジエクステンダーEV等中国市場で独自の進化を遂げたことは中国政府の期待を超えた成果であったのではないでしょうか。さらに通信機器メーカーのファーウェイが自動車産業にサプライヤーとして参入しCATLと組んで自動車メーカーとオールチャイナチームを形成したり、スマホ大手のシャオミが米アップルがなしえなかったEVへの参入を果たし、テスラを追い上げる存在になったことも中国政府の期待しなかった成果として挙げることができるのではと思います。
その中国では国内市場は頭打ちとなり、国内に抱えている過剰生産能力と相まって中国の自動車メーカーは生き残りをかけて海外市場へと進出を始めており、その状況は日本の自動車メーカーが海外進出を加速した1990年前後の状況と通じるものがあるように思います。これから本格化する中国の自動車メーカーの海外展開を、「中国発の世界戦略車」という切り口で分析し、まとめてみました。尚、快進撃を続けるBYDの基本的な財務データからBYDが抱えるリスクについても触れてみました。
31分の動画になります。URLは https://youtu.be/t1dMVqQnNKg です。
編集者が Google NotebookLK で山崎さんの資料を基にインタビューしてみました。9分41秒の音声です。
ところどころ生成AIの解釈は山崎さんの主張と違うところがあるかも知れませんが、比較して頂くと、面白いと思います。
以 上(小林慎一郎)
