「クルマの電動化 英国が先進する欧州五大市場の分析」
レポートと動画山﨑雅史会員(804)

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山崎雅史会員から「クルマの電動化 英国が先進する欧州五大市場の分析」のレポートと動画を頂きました。山崎会員は毎月のように自動車業界の分析を発表されていますが、今回は電動化が急減速している欧州で英国が順調に進んでいる、という事実を数値と図表で定量的にわかりやすく分析しています。以下レポートをぜひご覧ください。


クルマの脱炭素化、電動化がスローダウンしていると言われる先進国において、欧州五大市場のひとつ、イギリスではクルマの脱炭素化が近年順調に進んでいます。今回、そのイギリスに焦点を当て、残りの欧州五大市場ドイツ、フランス、イタリア、スペインと比較し、なぜイギリスのクルマの脱炭素化が着実に進んでいるのか、その要因を分析してみました。

イギリスの政策の根幹にはゼロエミッション車の年ごとの販売比率を定めた国家規制のZEVマンデートと、ロンドンを対象に実施している排ガス性能に基づいた厳しい市内への乗り入れ車両の制限の都市規制が挙げられます。自動車メーカーに対して強くゼロエミッション車の販売を要求できるのは、欧州大陸に比べてイギリスの自動車産業の規模が小さいため、産業保護より脱炭素政策を優先しやすい構造にあると思います。

一方、国が思い切った脱炭素の諸施策を実施できる礎には脱炭素電力の安定した供給があり、EVの導入によってCO2削減効果を最大化できるという期待があります。そしてその脱炭素電力の根幹をなす風力、太陽光等の再生可能エネルギーが変動する課題には原発電力で補完している現実を見逃してはならないと思います。

今回の分析を通じて感じた更なる点は、欧州メーカーはエンジン車だけでなくマイルドハイブリッド車やストロングハイブリッド車、プラグインハイブリッド車や電気自動車、そしてLPGで走るクルマやLPGとガソリンの両方で走れるバイフューエル仕様のクルマといった、様々なパワートレイン仕様のクルマを欧州市場に投入して実績を積み重ねている現実です。これこそまさに現地の消費者の様々なニーズに応えるための欧州メーカーのマルチパスウェイの実践であり、好調なハイブリッド仕様に固執しがちな日本勢にとって欧州メーカーのパワートレインに対する技術の多様性、柔軟性は、将来脅威となる可能性を秘めていることも認識しておくべきであると痛感しました。

中国勢の存在感が増しつつある欧州市場の最新状況を理解していただくうえでご参考にしていただければ幸甚です。(山﨑雅史)

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以 上(横山英樹)

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