| 日 時 | 2月20日(金)15:00~18:00 |
| 講 演 | 「ゆとり教育から探究学習へ ~本当の学力とは何か考える」 |
| 講 師 | 前川喜平会員(1544) 元文部科学省事務次官 |
| 会 場 | 航空会館 |
| 参 加 | 会場69名 Zoom58名 計127名 |
今回は、DF会員でもある元文部科学省事務次官の前川喜平さんを講師に迎え、「日本の教育課程の変遷と不登校の急増」という、まさに現代日本が直面する教育課題をテーマにご講演いただきました。

講演では、戦後から現在に至る学習指導要領の変遷を丁寧にたどりながら、「ゆとり教育」が単なる学習内容の削減ではなく、子どもたちが自ら考え、学び続ける力を育てるための新しい学力観に基づく試みであったことが、改めて分かりやすく示されました。
また、国際的な学力・意識調査のデータを踏まえ、日本の子どもたちが抱える自己肯定感の低さや学習意欲の弱さに言及され、知識の量を競う教育が、かえって子どもを追い詰めてきた側面があることを指摘されました。特に、全国学力テストが現場にもたらした影響についての分析は、参加者にとって考えさせられる内容でした。
後半では、探究学習の意義や、学びを実生活と結びつけることの重要性が強調され、不登校特例校の設置や授業時数の柔軟化など、現場から生まれつつある新たな教育の動きが紹介されました。探求学習については、中高の教員は専門教員であり横断的な探求学習の指導が難しいという点も指摘され、DFの「授業支援の会」の社会人としての指導への期待も示されました。
現在の「探究学習」の原点である「ゆとり教育」の本質をもう一度問い直し、子ども一人ひとりの学びを支える教育へと舵を切る必要性を、強く印象づける講演となりました。
質疑応答の時間には、DFで教育支援活動に携わる会員をはじめ、参加者から次々と手が挙がり、講演内容を踏まえた踏み込んだ議論が交わされました。
とりわけ、「教育行政を担う中央組織と学校現場との間に、意識や理解の乖離を感じる場面が少なくない」「探究学習においても、枠組みは中央で示される一方、実践は現場任せになってはいないか」といった率直な問いが投げかけられ、教育改革の実装段階における難しさが共有されました。
また、将来的な教員不足への懸念や、日本の大学教育が職業教育を十分に位置づけられていない一方で、一般教育においても学生の学習意欲や教員の研究環境など、多くの課題を抱えている現状についても質問が及びました。これらに対し、**前川喜平**さんからは、制度設計の背景や行政の内側から見た現実、そして今後に向けた課題と可能性について、率直かつ示唆に富んだ見解が示され、参加者一人ひとりが「教育を支える立場として何ができるのか」を考える機会となりました。


講演後には、部会・研究会・同好会の活動紹介が行われ、今回は特に二つの組織から、それぞれのメンバーが倫理教育や社会貢献課題への思いを込めて活動内容を紹介しました。会場からは共感の声も多く、今後の新たなメンバー参加への広がりが期待されます。
さらに、講演会に引き続いて開催された懇親会では、多くの参加者が前川さんを囲み、講演では語り尽くせなかったテーマについても活発な意見交換が行われました。終始、教育の未来を真剣に語り合う熱気に包まれ、盛況のうちに幕を閉じました。

以 上(横山英樹)



