山崎雅史会員から「世界の中の日本車の現在地 2025年」 のレポートと動画を頂きました。2025年度を振り返り、「市場競争集中度指数」という山崎さん独自の手法で日本車の立ち位置を分析、シェア低下傾向の日本車復活の道筋を大胆に提案し、大変考えさせられる内容となっております。以下レポートをぜひご覧ください。
皆様、世界の主な市場における日本車の状況を把握しようと思いまとめが完了したのでYou Tubeにアップロードしました。お手すきの折にでもご覧ください。
以下に概要をまとめます。
2025年時点の世界の主要市場における日本車の現状をまとめると、脱炭素の流れに逆行している米国市場以外での日本車のシェア低下が顕著になりつつあります。中国では2020年に20%を超えたシェアが2025年には8.9%にまで落ち込んでいます。そんな中でも日産シルフィが「国民的セダン」の地位を築き10年以上もトップ10に入り続けている事実も無視できません。米国では全米で42%のシェアの米国勢に肉薄する37%のシェアを、カリフォルニア州では米国勢の32%を超える42%のシェアを日本車は取っています。欧州(EU27カ国)では欧州御三家(VW、ステランティス、ルノー)だけで50%を超えるシェアを占め、日本車のシェア最高はトヨタの7.4%で、日本車の合計でも12.5%と苦戦しています。インドではマルチスズキが40%近いシェアをキープしていますが、現代自と地場のタタ、マヒンドラの3社が2位争いをしながらシェアを伸ばしてきています。アセアンの主要国、タイ、インドネシア、マレーシアではかつて90%あった日本車のシェアが中国勢のEV攻勢を受け70〜80%レベルに落ちてきています。
今回、「市場競争集中度指数」なるものを考案し市場競争の厳しさを指数で表してみると競争の厳しい市場のトップは中国で次はEUになりました。日本車が中国市場で挽回するには中国企業との連携を深化してソフトウエアの強化を図り、中国主導の開発でスピードと低コストを実現することが必要になります。欧州市場では中国市場で鍛えたソフトウエア技術を取り込み、得意とするHVやPHVを再強化しEVのラインナップと現地生産を拡充する必要があります。
ソフトウエアが車の価値の大部分を決めるこれからの新車開発においてはどの領域を自前でやり、どの領域を協業でやるのかを明確にし、協業の効果的な活用が成長のカギとなります。トヨタとVWの自前領域、協業領域を比べてみると両社の戦略の違いが浮き彫りになります。
2026.3.5 山崎雅史
以 上(横山英樹)
