ハーモニープロジェクト第11弾
清澄白河・門前仲町散策

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日   時2026年03月13日(金)14日(土)
場   所集合 清澄白河駅 
清澄庭園 霊巌寺 江戸資料館 理科室蒸留所 チーズのこえ 
深川焔魔堂 深川不動 富岡八幡宮 伊能忠敬銅像 
解散 門前仲町駅
参 加 者36名
音声読み上げ

左図の、開始をclickすると、下記の文章の朗読音声が再生されます。

1. はじめに:ハーモニープロジェクトが紡ぐシニアの交流

一般社団法人ディレクトフォース(DF)が活動の柱に据える「社会貢献」と「自己研鑽」。この二つの理念を、机上の学びではなく、五感を研ぎ澄ませた実体験として共有する場が「ハーモニープロジェクト」です。2026年3月13日・14日の両日、春の淡い光に包まれる中で行われたのは、江戸の情緒と現代の感性が共生する街「深川・清澄白河」の散策でした。

今回の散策には、両日合わせて40名近い会員が集結。清澄白河駅から門前仲町へと至るルートは、単なる観光コースではなく、知的な再発見に満ちた「学びの道」として慎重に選定されました。企画者の献身的なリードのもと、一行は地域の歴史に耳を傾け、会員同士の対話を通じて絆を深めていきます。春の風が運ぶ期待に胸を膨らませ、かつての江戸の境界線へと踏み出した参加者たちの、豊かな半日の物語を紐解いていきましょう。

2. 出発の風景:清澄白河駅に潜む「日常の異界」

旅の始まりは、予期せぬ「非日常」との遭遇からでした。現代の都市インフラの中に隠されたアートの存在が、私たちの知的好奇心を冒頭から激しく揺さぶります。

ハプニングを愉しむ運営の妙 初日の13日、集合場所とした「A3出口」が地下と地上の二箇所に分かれていたため、合流に手間取るというちょっとしたハプニングがありました。しかし、これを「旅の醍醐味」として即座に糧にするのがDFのプロフェッショナルな流儀です。企画者はすぐさま翌日の運営を改善。地下を集合場所と定め、現地の写真を参加者全員に送信するという機転の利いた対応で、二日目は一点の曇りもない滑り出しとなりました。

「リアル8番出口」のアート体験 いざ出発というその時、案内役が指し示したのは駅通路の天井でした。不規則な配列で並ぶ蛍光灯。実はこれ、計算された「パブリックアート」なのです。SNSで話題のホラーゲームになぞらえ「リアル8番出口」の聖地とも称されるこの光景は、日常の駅舎をどこか「異界」へと変容させる魔力を持っていました。このモダンでミステリアスな高揚感こそ、重層的な歴史が眠る深川への、最高のプロローグとなったのです。

3. 歴史と自然の共鳴:清澄庭園と江戸資料館での学び

地上へ出ると、そこには明治の岩崎家が育んだ名園と、江戸の息遣いを封じ込めた空間が広がっていました。

静謐なる名園と時の重なり 清澄庭園では、張り替え中の芝生という季節の移ろいを感じさせる現況の中、池を巡り、名石の数々を愛でる贅沢な時間を過ごしました。参加者の満足気な表情を前に、企画者が「滞在時間はもう少し長くてもよかったか」と振り返るほど、この静謐な空間には人を惹きつける力がありました。続いて訪れた霊巌寺では、江戸の守護を感じさせる厳かな空気に包まれ、深川の歴史の厚みを再確認することとなりました。

江戸の庶民生活への時間旅行 「深川江戸資料館」では、精緻に再現された江戸の街並みが私たちをタイムトラベルへと誘います。当時の庶民の知恵や暮らしを追体験する楽しさは格別でした。道中では、寛政の改革を断行した松平定信の墓や、近代日本経済の父・渋沢栄一の碑にも遭遇。深川という土地が持つ「歴史の地層」を一つひとつ掘り起こす作業は、まさにDFが標榜する自己研鑽の体現であり、参加者の瞳には少年のような好奇心が宿っていました。

4. 新旧文化の融合:コーヒーの香りと蒸留所の知恵

深川の真の魅力は、古い歴史を土壌として、そこに若々しい文化が芽吹いている「現在地」にあります。下町情緒とモダンな感性が溶け合う光景は、地域再生の希望そのものでした。

五感で味わう地域の息吹 「理科室蒸留所」で供された芳醇なブラックコーヒーを手に歩き、評判のチーズ専門店「チーズのこえ」を覗く。さらに、「日本一(?)美味しい」と称されるソフトクリームに舌鼓を打ち、味覚を通じて街の活力を吸収していきます。こうした食べ歩きの愉しみは、散策の疲れを心地よい高揚感へと変えてくれました。

世代を超える街のエネルギー 歩みを進める中で何度も目にしたのは、古びた木造建築をリノベーションしたカフェや、赤ちゃんを連れた若夫婦の姿でした。歴史ある街並みに若者の文化がごく自然に定着しているコントラスト。それは、伝統を守りつつも変化を恐れない、この地域のしなやかな強さを象徴しています。新旧が心地よく調和(ハーモニー)する風景に、私たちはこれからの社会の在り方を見る思いがしました。

5. 信仰と哲学の道:閻魔堂から富岡八幡宮へ

散策の後半は、深川に集積する神仏を巡る、精神的な充足の旅となりました。

諸尊との対面と粋な小話 「深川閻魔堂」では、巨大な閻魔大王の像を前に、企画者から「閻魔様に舌を抜かれないよう、嘘をつかずに生きましょう」というユーモア溢れる注意喚起があり、一行に和やかな笑いと少しの自省が広がりました。その後、深川不動、富岡八幡宮を巡り、測量の父・伊能忠敬の銅像の前に立つ頃には、この地が育んできた不屈の精神と深い信仰心に圧倒されていました。

融通無碍なる多様性の原風景 参加者の一人である神村会員は、地蔵菩薩と閻魔大王が「同体」とされる説や、外来の仏と日本の神が融合した「神仏習合」の歴史に深い内省を寄せていました。「来るものを拒まず、古きものと新しきを融合させる融通無碍な民草の性情」。昨今の排他的な社会風潮を危惧しつつ、この深川に共存する多様な神仏の姿に「温故知新」の知恵を見出すその洞察は、まさにDF会員らしい知の深まりと言えるでしょう。異なる出自を持つものが調和して共生する深川の風景は、現代社会への静かな、しかし力強いメッセージとなって心に響きました。

6. 結び:深川の風に吹かれて――共創される新たな絆

今回の散策は、好天に恵まれた単なるイベントではありませんでした。同じ風景を眺め、江戸の知恵を学び、現代の息吹を感じる。そのプロセスを通じて、会員同士の間に「新たな絆」が共創された貴重な時間でした。「次回も期待しています」という多くの声は、このコミュニティが持つ知的な熱量の証です。

ハーモニープロジェクトが目指す「充実した人生を仲間とともに」という理想。深川の風に吹かれながら歩いたこのひとときは、まさにその理想が形となった瞬間でした。伝統と革新が共存する街が教えてくれた「調和」の精神を胸に、私たちはこれからも新たな発見の旅を続けてまいります。次はぜひ、あなたもこの知的な輪の中に加わり、心躍る再発見をご一緒しませんか?

ご参加者からの感想(50音順)

会員番号655 神村安正

3月14日、温かい春の日差しの下、深川の散策で多くの貴いお方々にお会いできました。何分とも寄る年波でゆっくりと皆さまとお話しすることができず失礼しました。お会いできたのは、地蔵菩薩、閻魔大王、不動明王、八幡大菩薩の御尊体です。
皆さまの御先祖は八世紀頃でしょうか、この列島の衆生を済度せんがため遥か唐天竺からお渡りになったと聞いています。御祖先はこの地にお渡りいただいて以来、地元の神々とも融和され、この地の衆生の世俗性情にもお慣れ頂き、以来列島の隅々にまでその御分身・御子孫をお遣わしになってきました。大伽藍から街角の小さな祠まで、さまざまにお住まい給うていますが、衆生済度の御志は変わらぬものと信心いたしております。衆生は厚かましいものでひたすら現生利益を願ってお祀りしておるのでございます。地蔵菩薩と閻魔大王は実は御同体などと噂を流しています。裁きと慈悲は表裏一体の理からでしょうが、大衆はとにかく両方を拝んでいればいいだろうといった調子でございます。八幡大神は実は高邁な菩薩の化身だと決めこんで、八幡大菩薩との尊号を勝手に使わせてもらっています。学者はこれを本地垂迹とか神仏習合などと理屈を付けていますが、衆生は、お地蔵さん、閻魔さん、お不動さん、八幡さんと親しくお呼びし、町のお守り様とお詣を欠かさないのでございます。この様子を、諸尊の広大無辺の御志と、来るものを拒まず、古きものと新しきを融合さすに巧みな融通無碍のこの地の民草の性情との見事な調和ではないかと思いを馳せる次第でございます。
昨今、この地に海外からの移住制限、日本人第一などという風潮が出てまいりました。それはそれなりの事情があるのでしょうが、温故知新で何か知恵が浮かばぬものかと、様々な出自(本地)をお持ちの諸神、諸仏、諸尊が狭い深川の地にお住まいしていらっしゃるのを目の当たりにして思いを巡らす次第でございます。またお会いしとうございますが私にその時間が残されていますかどうか。いずれ近いうちに閻魔様にお会いすることだけは必定でございます。


会員番号1134 生野雄一

今日は、好天に恵まれ、周到なご準備のおかげでとても楽しい道行きでした。道半ばでの、理科室蒸留所のブラックコーヒーと、店の名前は忘れましたが日本一?おいしいソフトクリームの美味しかったことも疲れを癒すに十分なメニューでした。
いつもながら、お世話になりました。


会員番号 1018 毛利正人

今回お天気にも恵まれ、深川・清澄白川の散策を堪能いたしました。特に名園「清澄庭園」の散歩、また「深川江戸資料館」では江戸時代の庶民の暮らしがわかり楽しく勉強になりました。それらと対照的に、コーヒーを中心とした若者文化が定着している様子、更に、近隣で暮らしているのであろう赤ちゃん連れの若夫婦に何組も遭遇し、この地域の新しい文化誕生の息吹も感じることができました。歩きながらの会員同士の会話も楽しく、充実した半日を過ごすことができました。企画を誠に有難うございました。次回も期待しております。宜しくお願いします。


会員番号 1408 反岡幹行 

3月13日の「清澄白河・門前仲町散策」は家内と一緒に参加させていただき誠に有難うございました。
今回の散策は天候にも恵まれて、最初に案内していただいた清澄庭園内の歴史と素晴らしい景色を満喫することから始まり、そのあと江戸資料館から富岡八幡宮に至るまでの歴史ある名所を適時休憩をとりながら参加された皆さんと話をしながら一緒に歩くことができた楽しい一日になりました。
私も東京に住んで50年以上が経ちますが、今回歩いたコースは初めてでしたので、まだまだ知らない場所がたくさんあるなと実感した一日にもなりました。
今回の散策会を企画していただき案内していただいた皆さんに心から感謝しています。
ありがとうございました。
次回の散策会も楽しみにしていますのでよろしくお願いいたします。

以 上(森川紀一)

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