環境コラム(第2号)中西聡(900)
オマーンのメタネーション・プロジェクト

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2025年7月28日(No.2)

2025年6月、オマーンLNG社(OLNG)はCO2と再エネ由来の水素から合成メタンを製造するプラントの概念設計(Pre-FEED)を日本のカナデビア社と締結した。OLNGの生産能力は年間1140万トン、日本への輸出実績は約190万トン(2021年)と僅かだが、プラントはアラビア湾の外に位置し、ホルムズ海峡が封鎖されても影響を受けない利点がある。

CO2はOLNGのプラントの排ガスから回収し、水素は太陽光発電電力で水を電気分解して生産する。OLNGはパイロットプラント(年産7400トン)の建設を経て、世界有数規模の商業プラント(年産110、000トン)の建設を目指している。オマーンは2050年CO2排出ネットゼロを宣言している。合成メタンは国内で消費される天然ガスを代替すると共に、LNGの原材料である天然ガスの一部を代替して、LNGのグリーン化を計ることも目標としている。

ところで、「カナデビア社とはどんな会社?聞いたことがない。」と言われる方が多いのではないか。カナデビア社は2024年に日立造船が社名変更して出来た会社だ。日立造船の前身は、1881年に英国人実業家が創業した大阪鉄工所で、その桜島工場跡地は現在、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンになっている。新社名は日本語の「奏でる」とラテン語で「道」を意味する「Via」を組み合わせたもので、「技術の力で人類と自然の調和に挑む」という意味が込められているとのこと。

CO2と水素から「メタン」を合成する「メタネーション」は、脱炭素化実現の一方策として成長が期待される分野であり、日本は2030年に都市ガスの1% (28万トン)、2050年に90%(2500万トン)を合成メタンで置き換えるという目標を設定している。大阪万博会場には、回収した生ごみを発酵させてできる「バイオガス」中に含まれるCO2と、再生可能エネルギー由来の水素からメタンを合成する「メタネーション」の実証設備(大阪ガス)が展示されている。大阪万博に行かれた際には、訪れてみたら如何でしょうか。

以 上(中西聡)

編集者から

中西聡会員のコラムをもとにNotebookLMでメタネーションに関しす解説を含む音声を生成してみました。一度ご試聴してみてください。

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