今年の7月よりフジパン(株)の食パン「本仕込」のTVCMに映るRSPO認証マークに気付かれた方もおられると思います。ヤシの葉の様な、蜘蛛の様な、あまりTV映えするデザインではなく、「何これ?」と気付かれたかも知れません。
このマークは「本仕込」食パンはRSPO認証パーム油を使用していることを表わしてします。これまでRSPO認証マークは日清カップヌードルの容器などに印刷されていましたが、CMに映るのは初めてではないでしょうか。

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)は持続可能なパーム油の普及を目指し2004年に設立された国際NGOです。以前RSPOに関わり、今は大学の環境講座でその意義について講義をしている身として、20年を経てこの認証マークがTVCMに映る時代が来たことの感慨も深く、皆様にお知らせしたいと思います。
パーム油は、食用油、加工油、添加剤や洗剤の原料など環境NGOがコンビニ商品の半分に使用されていると宣伝するほど用途が広く、世界で年間約9,000万トン生産される最大の植物油脂です。
しかし、その9割を生産する東南アジアではパーム農園による熱帯雨林開発がもたらす生物多様性の毀損や気候変動、人権侵害が問題となり、多くの環境・人権NGOが改善を訴えてきました。
1990年代になると、その矛先は利用者である食品や日用品メーカーに向けられ、消費者向けキャンペーンを強めて行きます。その対応策として欧州の消費材メーカーやパーム油生産国が環境NGOと共に設立したのがRSPOです。

サプライチェーン上の環境・人権課題の解消を目指すNGOでは最大規模の一つで、熱帯雨林の保全に適した農園経営や栽培方法の監査に合格した農園にRSPO認証を与え、その認証油の使用における管理が適切と認められた消費材製品に認証マークの表示を許可します。
RSPO認証に適合しながらマークを表示しない製品も多い中、今回のCMが契機となり、RSPOやフェアトレード、レインフォレストアライアンスなど、環境保全や人権保護に貢献する認証製品の価値を企業が発信し、消費者が選んで購入するエシカル消費の促進につながることに期待しています。
以 上(松瀬高志)
この投稿をNotebookLMでインタビュの音声にしてみました。(編集者)