時代がやっと追いついてきたと感じています。4~5年前から、ベンチャー企業支援を行っており、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の重要性に関して、各大学(高崎経済大学・専修大学・二松学舎大学)の講義でも説明してきました。従来の供給側の論理だけでは、カーボンニュートラル(CN)の実現は出来ない。日本の電力事業の運営体制が、東電福島原発事故以来変わってしまっている現実(発・送電・小売り三分割)を直視し、発電所の議論だけでは改善が出来ないと説明してきました。需要側の電力管理が出来ないと停電が多発するし、出力抑制が頻発するとの警告でした。第7次エネルギー基本計画の再エネ比率は、40~50%が、2040年度目標になっています。(本当に、どう実現するのでしょうか?)
現在の状況は、人体で例えるなら、毛細血管側(6.6kV以下)に、大量の太陽光発電所や風力発電所を設置し血を流し続ける形になっており、心臓側にて石炭火力・LNG火力・水力・原子力は、従来通り血を流し続ける形になっています。これでは、血管が持ちません。需給バランスを守る事が一番大切な電力システムにおいて、あり得ない状況です。

2025年3月、総務省・経済産業省合同で、ワット・ビット連携官民懇談会が開催されました。電力と通信の効果的な連携を指向し、生成AIによる膨大な電力需要に対し、DCを分割し、地域分散=地産地消させる事を狙ったものでした。ワット・ビット連携の本来の主旨は、単なるDCの分散運用が主題ではなく、全国レベルで、電力をアナログ管理からデジタル管理出来るようにし、需要と供給を一致させる事です。5Gの登場・IOWNの登場=通信側の技術革新があり、超高速の制御がやっと可能になりました。
電力階級と送電・配電システムを考えると、TSO(Transmission System Operator)側は、従来通り電力会社が管理できています。(66kV~550kVの階級です。)ところが、DSO(Distribution System Operator)側(6.6kV以下)は、全く管理されておりません。
この為、いくら再エネ電源を、その系統に設置しても活用されない訳です。出力抑制の原因は、この点に有ります。
解決策の第1歩は、DER(Distributed Energy Resource)分散型エネルギーリソースの統合プラットホームを早急に作り上げ、全国レベルで管理する事です。この問題点は、最近EU側とも課題認識しています。当然、蓄電池の建設と制御も必要になります。

再エネ活用による海外からのエネルギー依存の脱却は、明治時代以来の日本の国家目標であったはずです。発電されたエネルギーを無駄なく使う=勿体無い精神の活用に繋がります。私としては、少しでもお役に立てればとの思いで、活動している今日この頃です。
以 上(石毛謙一)