| 日時 | 12月11日(木)10:30~12:20 |
| 講演 | 「最近のロシア事情報告」 |
| 講師 | 朝妻幸雄会員(1329) |
| 参加 | 9名 |
第43回OVER80安全保障問題分科会が、朝妻さんの「最近のロシア事情報告」をテーマに時事討論会として2025年12月11日(木)10:30~12:20スタジオ751で、続いて懇親会兼忘年会が12:30~14:30新橋亭にて、9名の出席者を得て開催されました。

朝妻さんは10月26~27日にモスクワで開催された国際会議ロシア民間外交フォーラム(参加者数2,000名以上)に唯一人の日本代表として招待を受け参加されました。その会議での報告、ロシアの旧知の知人友人達との交流、街を歩いての印象などから感じ取ったロシアの状況について忌憚のないお話を伺うことができました。
ロシアの経済は、西側との連携は大幅に縮小しましたが、GDPは伸長し、エネルギー収益を基盤に、国家主導の安定構造を形成しています。さらに、非エネルギー部門に力を入れてエネルギー依存を減らし、失業率も低いです。一般市民の声は、経済の悪化、戦争の不安感は感じられず、西側の報道とは異なります。欧米企業の復帰を望む声は殆ど聞こえないが、ユニクロ復帰を望む声は多かったです。自動車は中国車のEV、HVに代わり始めています。

ウクライナ戦争は、ロシアでは西側がウクライナにロシアが耐える範囲を越えて扇動したためと考えています。現在米国による和平交渉が進められていますが、領土割譲、ロシアの要求(ナチズム排除、非武装化、NATO非加盟)、EUで凍結されたロシア資産の扱いなど困難が山積し、ウクライナは汚職疑惑で内側から崩壊の危機にあります。
ロシアは驚くほどの親日国で、アニメなどが若者を惹きつけ、ビザ制限も設けていないことから中国などを経由して多くのロシア人が観光客として来日しています。また、日露両国は双方の航空会社に対して、欧米とは異なり、領空飛行を禁止してはいません。制裁による整備と保険の問題で飛ばしていないのです。
日本はロシアへの制裁を継続していて、経済関係は急速に冷え込み、両国を繋いでいるのは文化および学術交流のみですが、これもかなり細くなっています。2026年には、ロシア文化フェスティバル in JAPAN 開催から20年の節目の年と位置付け、モイセーエフバレエ団、世界的ピアニストのマツーエフ氏等を日本に呼ぶ計画が動いていますが、困難が山積しています。しかし、いずれウクライナ戦争が終結し、関係修復の機運が高まった時、土台となるのが民間の文化交流で、最後の砦として壊してはならないものと考えています。

懇親会兼忘年会では、偏った報道になり勝ちな日本のマスコミだけを聞くことによる思い込みと誤解をなくさねばならないという認識と、現在文化交流すら否定的になっているロシアを含む近隣諸国との付き合い方について議論を交わしました。
以 上(保坂 洋)