ハーモニープロジェクト第10弾
赤坂迎賓館見学

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日 時:2026年2月17日(火)
場 所:迎賓館赤坂離宮(東京都港区赤坂)
参加者:20名
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2026年2月17日、早春の柔らかな陽光が降り注ぐ中、ディレクトフォース(DF)ハーモニー・プロジェクトによる「迎賓館赤坂離宮見学ツアー」が挙行されました。かつてビジネスや外交の最前線で国際社会と対峙してきたプロフェッショナル集団であるDFの会員にとって、この場所は単なる観光地ではありません。日本の外交拠点であり、国家の威信と美学が凝縮された「聖域」に身を置くことは、現役時代に培った知見を日本の伝統的な精神性と共鳴させ、コミュニティの絆をより高次元へと昇華させる戦略的な試みでもありました。

集合時間の10時15分、四ツ谷の正門前には既に期待に胸を膨らませた一行が集結していました。「前を通る度に一度は見学したいと思っていた」「滅多にない貴重な機会」という切実な声が漏れる中、厳重なセキュリティチェックを通過するプロセスは、日常から切り離された聖域へと至るための、心地よい緊張感を伴う「プレリュード(前奏曲)」として機能しました。

今回の見学において特筆すべきは、専門ガイドの解説を伴う質の高い鑑賞体験です。ある参加者が「ガイドの説明を得て初めて、なるほどと納得・理解できた」と回想したように、視覚的な美しさを超えた歴史的・文化的背景の言語化が、この体験を単なる見聞から「精神の滋養」を伴う深い知的探究へと変換させたのです。

ここでは、参加者から洗練された感性に基づく洞察が寄せられました。

一行が最初に足を踏み入れたのは、1974年に建設された和風別館「游心亭(ゆうしんてい)」です。ベルサイユ宮殿を模した壮麗な本館とは対照的に、この空間は、モダニズム建築の巨匠・谷口吉郎氏の手によって「日本の伝統的な生活様式によるおもてなし」を具現化するために設計されました。

ここでは、参加者から洗練された感性に基づく洞察が寄せられました。

  • 伝統とモダンの止揚: 格式ある落ち着いた空間と庭園の調和に、多くの会員が「心が癒された」と感嘆しました。特に、池の反射光が室内の天井に揺らめく光景は、自然のゆらぎを建築の一部として取り込む谷口氏の緻密な計算と、日本特有の美意識の結実と言えます。
  • 「游」の字に込められた外交哲学: ある会員は、施設の名称に使われている「游」の字について、「遊」との違いを自ら調査し、「主に水に関する自由な動きをあらわし、神や自然とかかわる自由な行動を意味する。この字こそが、自然と共鳴し心を解き放つ平和外交の基盤である」との深い考察を共有しました。
  • 戦略的先見性の評価: 昭和49年という時代に、これほど洗練された空間を完成させたことに対し、「現在のインバウンド隆盛を半世紀以上前から予見していたかのような先見の明がある」と、その歴史的意義を高く評価する声も上がりました。

この和の空間での静謐な対話は、現代の海外賓客に与える心理的インパクトの大きさを確信させるとともに、日本文化の保存と継承の重要性を再認識させる機会となりました。

続いて一行を圧倒したのは、明治のエネルギーの結晶である本館です。ジョサイア・コンドルの直弟子・片山東熊が総指揮を執ったこの建築は、当時の日本が「一等国」を目指し、国力を振り絞って建造した国家の威信の象徴です。

専門的な眼識を持つDF会員ならではの評価が、多角的な視点から示されました。

  1. プロの眼識による建築再定義: 建築構造の研究に50余年を捧げてきた専門家会員は、110年以上前の技術的制約を意志の力で克服した先人の偉業に触れ、「片山東熊の美的センスと力学的センスの卓越したバランス」に深い敬意を表しました。これは、単なる感想を超えた、歴史への厳かな再定義と言えるでしょう。
  2. 国家の威信を象徴するディテール: 「当時の貧乏だった日本の国力を考えれば、目一杯の背伸びをして建造したものである」という歴史的分析に加え、世界に数台しか現存しないエラール社製の「90鍵のピアノ」という一切の妥協を排した調度品の存在が、当時の国家基準の高さと先人の執念を物語っていました。
  3. 現代外交の臨場感: 展示パネルを通じて、トランプ前大統領と、同郷(奈良)から選出された初の女性宰相候補としても注目された当時の閣僚(高市早苗氏)が並ぶ栄誉礼などの動的なシーンを目の当たりにし、ここが「生きた外交の表舞台」であることを再確認しました。

110年以上前の先人たちが抱いた「先進国への憧憬と挑戦」は、現代の複雑な社会課題に立ち向かうプロフェッショナルたちにとって、新たな価値創造への強い鼓舞(モチベーション)となりました。

圧倒的な建築美に触れた後、一行は敷地内の開放的なスペースにて、早春の気配を感じながらの昼食懇親会に臨みました。この時間は、単なる休息を超え、受けた刺激を即座に言語化し、互いの知性を交換する「体験の昇華」の場として機能しました。

  • 人間的な交流の深まり: ご夫妻での参加者や単身での参加者が入り混じる中、「プロジェクトの温かさと魅力」を再確認する交流が生まれました。「仲間と写真を共有し、羨ましがられた」という誇らしいエピソードからは、この特別な体験が会員個人の誇りとなり、コミュニティへの帰属意識をいかに高めているかが伺えます。
  • 質の高いエンゲージメント: 聖域の空気感を共有した直後だからこそ生まれる、普段以上に深い対話。個人での見学では到達し得ない、専門知識と多角的な視点が交差するこのプロセスこそが、DFというプロフェッショナルな会員組織におけるエンゲージメント(組織への愛着)の本質です。

今回の迎賓館赤坂離宮見学は、日本の素晴らしい遺産を再発見すると同時に、そこに込められた「おもてなし」の精神と国家の矜持を、自らの経験と重ね合わせて再認識する貴重な機会となりました。

参加者からは「新緑の季節にまた再訪したい」という継続的な関心や、細やかな企画・運営に対する深い感謝の言葉が寄せられました。迎賓館という場所が持つ歴史の重みと、そこから得たインスピレーションは、今後のコミュニティ活動において、次世代へ何を伝えていくべきかを考える大きな指針となるでしょう。

私たちは、先人たちが心血を注いで築き上げ、今日まで守り抜いてきたこの気高い遺産の精神を大切に受け継ぎ、それを未来の活動へと繋げていく決意を新たにしました。歴史と美が交錯する聖域での体験は、参加者それぞれの心に深く刻まれ、次なる知的探究とコミュニティの発展への確かな架け橋となったのです。

テレビのニュースでしか見ることがないと思っていた迎賓館を見学できると知り、これは滅多にない機会だと思い参加しました。
和風別館の存在もこれまで知りませんでしたが、日本国の迎賓館として「和のおもてなし」を大切にしていることを知り、とても嬉しく感じました。
見学後は、私は単身での参加でしたが、ご夫妻で参加された皆さまとご一緒に食事をし、楽しく会話をさせていただきました。そうした交流の時間を通して、ハーモニープロジェクトの温かさと魅力を改めて実感することができました。(石澤 泉1472)

和風別館「游心亭」は和風建築の技術を駆使した素晴らしい施設で、いたるところに厳粛さを感じました。 おもてなしの心が凝縮された空間だと思います。
来訪された海外賓客はどのような感想を持たれたのでしょうか。庭園も手入れが完璧で、梅の開花が始まったところでしたが、新緑の美しい季節に再訪したいと思いました。(橋本健 1038)

大変素晴らしく楽しい見学会でした。
参加する前は欧州のネオ・バロック調を模倣した宮殿位のイメージでしたが、至る所に和の意匠を取り入れ来日する賓客を持て成すのに相応しい建造物と思いました。
特に印象深かったのは[花鳥の間]と[游心亭]です。いずれも日本的な和の要素を取り入れた中で品格と安らぎを感じさせる造りであると思いました。(佐藤脩817)

実は 迎賓館は 前に 一度 訪ねたことがあるのですが 今回は しっかりしたガイドさんの説明も得て「なるほど」と 納得 理解できたところも 多々あり有意義な時間を 過ごせました。ありがとうございました。(宮下博文 924)
和風別館は今回ガイド付きの特別案内でゆっくり見学でき、格式のある落ち着いた和式様式の空間と素晴らしい庭園に心が癒されました。
本館ではベルサイユ宮殿を彷彿させる豪華賢覧な内装と最高峰の調度品の数々に圧倒され、明治から令和まで皇室の方々が迎賓館を利用された歴史と、ここで世界各国からの国賓を招かれた際の様子が写真展示パネルなどから臨場感があふれ、興味深く見学することができました。(山本明男 977)

同所は前から一度行ってみたいと思いながら、なかなかチャンスがないままになっていましたので、行くことができ喜んでいます。さすがに110年も経つ国宝だけにその豪華さ、格調の高さに圧倒されました。また普段は入れない和風別館、庭園に入れたのも貴重な経験でした。また昨年トランプ大統領訪問時に同郷の初の女性宰相がここで接待したというのも、感慨深いものがありました。
早速仲間に写真を送ったらみんな羨ましがられました。(岡田俊男 1064)

建築家を目指し、大学で建築学を勉強したが、3年生の頃に美的センスのなさから建築家になることを断念した。その後、大学院において、建築構造(力学)の世界に入り、シェル・空間構造の素晴らしさの虜となった。幾つかの基本設計に携わる機会も得た。そして、シェル・空間構造研究の世界で50余年も過ごしてきた。
この度の建築物の原点は、かの有名なジョサイア・コンドルの直弟子・片山東熊の総指揮のもとに創られた(設計・施工)ようである。
片山東熊は美的センス、力学的センスが抜群で、しかも均整のとれた素晴らしい建築家であり、構造家であったろうなと、感嘆しながら見学した。とても良い機会を与えて戴いたことに感謝する。(新宮清志 1171)

色々とご手配並びにご配慮有難う御座いました。私は以前に別手配で参観する機会が有ったのですが、手違いで入場出来ず。今回は大変有難うございました。
後進国日本が、先進国に追い付け追い越せの時代でしょうか? 多大なエネルギーを感じました。日本は到る処に素晴らしい遺産があるものですね。
感謝です。 (桂純二 1530)

建築家谷口吉郎設計による和風別館を見学した。華やかな洋館に比べ実に穏やかで、しっとりとこころが落ち着く建築、庭園だつた。和風別館は「游心亭」と名付けられいる。なぜ「遊」ではなく「游」なのか疑問に思い、帰って調べたら、「游」は、主に水に関する自由な動きをあらわし、「游泳」などの言葉に使われ、また古い用法では神や自然とかかわる自由な行動をあらわす。「遊」は「遊戯」や「遊学」などに使われ、楽しむことや交流を示すとある。「游心亭」は、池の水があり、神や自然とかかわる意味で、この字を使う方が良いのかも知れない。池を眺めながら、お茶をゆっくりたしなむそのようなひとときを過ごしたいものだと思った。
日本には、京都の「野村別邸」「住友有芳園」日光の「日光旧御用邸」愛媛県の「広瀬庭園」 東京の「三菱開東閣」素晴らしい庭園が数多くあるが、人のこころをいやす和風建築、庭園技術があることを誇りに思うとともに大切に保存すべきだと思った。 (真木郁夫209)  

迎賓館見学、貴重な経験をさせて戴き有難うございました。明治時代の末期、当時の貧乏だった日本の国力を考えると、国家の威信をかけて、目一杯の背伸びをして建造した立派な宮殿と思います。
せっかくの力作ですが、当時の外交には然程出番が無かった様なのは残念な気がします。しかしながら、その後の数度の改築を経て、近年は日本外交の表舞台として海外賓客との重要会議に活用されており、喜ばしく感じました。 (藤村俊夫 1009) 

 『迎賓館見学』は夫からの誘いでした。そもそも見学出来るなんて 考えてもみませんでした。
外国からの貴賓客や国賓の方々をお迎えして、会議や調印式を行う迎賓館としての存在を客観的にテレビではよく見かけていました。当日、ガイドさん案内、パンフレット、細部説明に沿って室内を事細かく見て回り、感心しきりでした。
海外からの叡智をかき集め、それに 日本の誇る有能な人々が日本文化歴史を融合させて作り上げられた迎賓館・游心亭・・・その内部を自分で見て歩けた事・・・誘ってくれた夫にも感謝します。良い体験をさせて頂きました。
(藤村晶子)

前を通る度に一度は見学してみたいと思っていた迎賓館赤坂離宮でした。
贅を尽くした本館は勿論素晴らしく、当時の交通、通信状況、建築技術を考えるとこれを造るのにどれだけの時間がかかったのだろうとその大変さに思いを馳せました。
その本館以上に心惹かれたのは昭和49年に造られた和風別館の游心亭でした。モダンかつ伝統が息づき、現代の日本文化が反映されています。外国の賓客にはよりダイレクトに日本の文化を感じ、印象に残ったのではないでしょうか。今のインバウンドの隆盛を見るとこれを造った先見の明に感心しました。(武田智津子 1520)

以 上(森川紀一、宮武里美)

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